話題の動画広告を活用するための手順とポイント

近年、急速に注目を集めている動画広告。目をみはるようなスピードで市場が拡大している背景には何があるのだろうか? そして、動画広告を有効活用するために知っておきたいこととは? 動画広告の基礎知識と出稿にあたって必要な準備、有効活用のためのポイントについて紹介する。

動画広告市場は拡大を続けている

株式会社サイバーエージェントが株式会社シード・プランニング デジタルインファクトと共同で2015年に実施した調査によると、2015年の動画広告市場は前年比162%の506億円となる見通しとのこと。市場が急速に拡大した背景としては、スマートフォンの普及や通信環境が高速化したこと、ソーシャルメディアを通じて動画で情報発信したりそれを視聴したりといったことが日常化したことなどが挙げられている。動画広告市場は今後さらに拡大し、2017年には1000億円規模、2020年には2000億円規模にまで拡大すると、同調査は予測する。

また、動画広告市場拡大における大きな特徴としては、スマートフォン向け広告の割合の大きさが挙げられている。動画広告を視聴するデバイスとしてスマートフォンが占める割合は、2015年で46%、2016年には過半数を占める見込みで、さらに、2020年には動画広告全体の57%がスマートフォン向けとなることが予測されるとのこと。特に、10代のスマートフォンによる動画接触率はパソコンを上回っており、テレビの水準に近づきつつあることから、テレビCMとスマートフォン向け動画広告を併用するケースも増えている。

これらの傾向からわかるように、動画広告は企業にとって非常に重要なマーケティングツールとなりつつあるのだ。映像や音声を使って多彩な表現ができることから、印象に残る広告が作りやすいことは動画広告のメリットだろう。

TrueView広告の種類

Google AdWordsでは、TrueView 動画キャンペーンとして動画広告を作成できる。TrueView広告のフォーマットは、「インストリーム動画広告」と「インディスプレイ広告」の2つに分類されている。

TrueViewインストリーム広告

YouTubeで、ほかの動画の再生前や再生中、再生後に動画広告を表示する形式。動画広告の再生開始から5秒経過すると「広告をスキップ」ボタンが表示されるので、ユーザーは必要に応じて広告をスキップして本編の動画に移動できる。

料金は、動画広告が30秒以上(30秒未満の広告の場合は最後まで)視聴された場合や、Call-to-Action、オーバーレイ、カード、コンパニオンバナーのクリックといった操作を行った場合に発生する。YouTube動画のほか、Googleディスプレイネットワークの動画配信サイト、ゲームやアプリなどで表示することも可能だ。

TrueViewインディスプレイ広告

YouTubeで動画の視聴中に画面右側に表示される「関連動画」や、YouTubeで検索を行った際の検索結果などの最上部に広告が表示される形式。検索結果に表示されるものは、かつてインサーチと呼ばれていたが、2014年4月からここに統合された。ユーザーが広告をクリックして、動画広告を視聴した場合に課金される。

TrueView動画広告配信の手順

TrueView動画広告は以下の手順で作成する。

  1. Google AdWordsの管理画面から「キャンペーン」タブをクリックして、「+キャンペーン」の「動画」をクリックしたら、キャンペーン名を入力する。
  2. キャンペーンのサブタイプを選択する。サブタイプには、「標準」「すべての機能」「マーケティング目標」などがあり、それぞれ利用できる設定や機能が異なる。
  3. キャンペーンの設定をする。標準のキャンペーンの場合なら、予算や動画キャンペーンを掲載するネットワーク、ターゲットに設定する地域や除外する地域などの設定項目がある。
  4. 必要に応じて広告を表示するデバイスの指定やキャンペーンの詳細設定を行い、「保存して次へ」をクリックする。
  5. 広告グループ名を入力して、「動画の選択」で「YouTube動画」を選択する。
  6. 「動画の広告フォーマット」で使用するフォーマットを選択して、単価を入力する。
  7. ターゲット設定を行い、「広告グループを保存」をクリックする。

TrueViewのテンプレートを利用する

Google AdWordsには、3種類のTrueView向けテンプレートが用意されている。これらを利用することで、効率的に動画広告を作成できるようになる。それぞれのテンプレートの用途と特徴は次のとおりだ。

InVideo 静止画像(オーバーレイ)テンプレート

YouTubeやGoogleディスプレイネットワークで、動画の画面下部に静止画像による広告を表示するためのテンプレート。広告は画面下部20%に表示され、ユーザーが右上の「×」をクリックすれば広告を閉じることも可能だ。

TrueViewインストリーム広告テンプレート

YouTubeの動画が再生される前などに広告が流れる、インストリーム広告のためのテンプレート。再生開始から5秒経過するとスキップが可能になり、広告を再生するタイミングは動画の開始前のほか、再生中や再生後に設定することもできる。

エキスパンド動画広告テンプレート

Googleディスプレイネットワーク上のサイトに表示される広告に使用する。ユーザーが広告をクリックすることで表示が2倍サイズに展開される点が特徴だ。展開された広告をユーザーがクリックしてランディングページに移動すると料金が発生する。

YouTube動画のアノテーションでリンク先に誘導する

YouTubeには、動画内にテキストやリンクを重ねて表示できる「アノテーション」と呼ばれる機能が用意されている。TrueView動画広告を使用する場合、この機能を使えば動画広告を視聴したユーザーを自社のWebサイトや商品販売ページに誘導できる。なお、この機能が有効になるのはパソコンから視聴した場合のみとなる。

アノテーションの種類には、以下の5種類が用意されています。

  • 吹き出しの中にテキストを表示する「吹き出し」
  • 動画内の特定の領域をハイライト表示して、ユーザーがその部分にマウスカーソルを置くことであらかじめ入力したテキストが表示される「スポットライト」
  • ボックス内にテキストを表示する「メモ」
  • 動画のタイトルをテキストオーバーレイで表示する「タイトル」
  • 動画内の特定の部分を呼び出して名前をつける「ラベル」

 

アノテーションは、YouTubeの動画編集画面から以下の手順で追加する。

  1. YouTubeチャンネルの「動画の管理」を開いて、アノテーションを追加したい動画の「編集」ボタン右側にある下向き矢印をクリックし「アノテーション」を選択する。
  2. 「アノテーションを追加」ボタンをクリックして、アノテーションの新規追加画面を開く。
  3. アノテーションの種類を選択する。
  4. 動画プレイヤー内に表示されているアノテーションをドラッグ&ドロップして、アノテーションを表示する位置を指定する。
  5. アノテーションで表示する文字のフォントサイズや色、背景色とアノテーション全体のサイズを指定する。
  6. アノテーションの表示を開始する時間と終了する時間を設定する。
  7. 「リンク」のチェックボックスをオンにして、リンク先を指定する。

Yahoo!プロモーション広告で動画広告を使用する

Yahoo! プロモーション広告には、Yahoo! JAPANおよび動画サイトのGYAO! に動画広告を配信できる「ビデオ広告」が用意されている。

ビデオ広告の種類には、次の4種類がある。

  • Yahoo! JAPANプレミアムビジョン……Yahoo! JAPANのトップページに動画広告が掲載される。
  • Yahoo! JAPANプライムビジョン……Yahoo! ニュースやYahoo! 天気、スポーツナビ、Yahoo!知恵袋といったYahoo! JAPANが提供する各サービス面のファーストビューに自動再生方式の広告が掲載される。
  • Yahoo! JAPANプラチナインストリーム…GYAO! などの長尺コンテンツを中心とした動画の、再生前や再生中に動画広告が挿入される。
  • Yahoo! JAPANインストリーム……GYAO! およびYahoo! JAPANの動画コンテンツに動画広告が挿入される。

ソーシャルメディアのインフィード広告に動画を使用する

動画広告は、ソーシャルメディア上でも有効に活用できる。

Facebookの場合

Facebookでは、広告作成画面で「動画を再生」を選択すると、動画がアップロードできる。ターゲットや予算の設定などは通常の広告と同様に設定する。

広告に使用する動画はMP4コンテナ形式でフレームレートを最大30fpsとすること、音声はステレオAACオーディオ圧縮形式、ビットレートは128kbps以上とすることなどが推奨されている。また、アップロードできる動画ファイルのサイズは最大1.75GB、時間は45分以内となっている。サムネイルについては、画像サイズが動画と同じアスペクト比であることや、サムネイル画像に占める文字の割合が20%以下であることなどの条件がある。

Instagramの場合

Instagramの場合も、Facebookと同様に広告作成画面で「動画の再生」を選択して、動画のアップロードと各種の設定を行えば、動画広告を作成できる。

Twitterの場合

Twitterには、動画広告を使用するツールとして「プロモビデオ」が用意されている。広告管理画面の「クリエイティブ」で「ビデオ」を選択して動画をアップロードしたあと、キャンペーンの作成画面から新規キャンペーンを作成して設定を行う。

動画ファイルはMP4もしくはMOV形式で10分以内のものが使用できる。また、フレームレートは29.97fpsまたは30fps、ビットレートは1080pの動画の場合で6,000k~10,000k、720pの場合で5,000k~8,000kが推奨されている。

料金は、ユーザーのタイムライン上で動画の画面が100%表示され3秒以上視聴された場合や、ユーザーが動画のミュートを解除する操作や全画面表示への切り替えを行った場合に発生する。

動画広告製作のポイント

動画広告の製作においては、まず、誰をターゲットにするのか、何を目的とするのかを明確にすることが重要となる。例えば、その商品やサービスをまったく知らないユーザーをターゲットにするのであれば、一見商品とは関係ない内容の広告を使用してでも、ユーザーの関心を引くような内容の動画でブランドの認知度・好感度アップをめざすのもひとつの方法だ。

すでに商品についての知識をもっているユーザーに購入をうながすことを目的にするなら、実際にその商品を使った人の感想を盛り込んで購入を後押しするような使い方ができる。

いずれの場合も、動画の再生開始後の早い段階でユーザーの心をつかむことが大切だ。TrueViewのインストリーム動画広告の場合、動画が流れ始めてから5秒経過すると広告のスキップが可能になる。このため、その時点までにユーザーの関心をひきつけ、最後まで視聴してもらえるようにするしかけが必要になる。

ソーシャルメディア上に掲載する動画広告の場合、通常の投稿文や写真と同様にユーザーのフィード内に表示されるため、さらに早い段階でユーザーの関心を引くことが求められる。ファーストビューを印象的な画像にして、ユーザーの目に留まるようにすることが大切だろう。

メリットをいかして有効活用しよう

映像と音声、テロップなどのテキストを組み合わせて幅広い表現ができる動画広告は、ユーザーの印象に残るインパクトのある広告からブランドに親しみをもってもらえるようなストーリー性のある広告まで、さまざまなスタイルでの訴求がしやすいことがメリットだろう。

楽しい動画や役に立つ動画なら、SNSを通じてシェアされ、より多くのユーザーに情報が拡散されることも期待できる。今後も市場の拡大が期待されている動画広告を、ぜひ、効果的に活用してほしい。

 


参考:

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