若者とシニアでまったく違う!?世代別のSNS利用傾向から効果的なマーケティングを考えよう

総務省が毎年発表している「情報通信白書」の平成27(2015年)版では、SNSをはじめとした、各種サービスの世代別の利用傾向が発表されている。世代が違えば、SNSの使い方や情報拡散の基準に違いが出るのは当然だ。最新のデータから、各世代に応じた、効果的なマーケティングのあり方を考えてみよう。

利用傾向の違いから、世代ごとの特徴が見えてくる

平成27年版の「情報通信白書」では、『SNSでの「拡散」と「炎上」』と題して、世代ごとのSNSの利用割合やトラブル経験、情報発信経験、情報拡散の状況などのデータをまとめている。

SNSの利用傾向には世代ごとの特徴が大きく表れており、これらのデータを見ると、それぞれの世代が求めている情報や、魅力を感じている情報がどのようなものかが見えてくる。

それぞれの世代のSNS利用率

それぞれの世代でどのくらいの人がSNSを活用しているのだろうか? まずは、主要なSNSであるFacebook、Twitter、InstagramおよびLINEについて、20代以下の若年層および、30代~50代の各世代、そして60代以上のシニア世代の利用率を見ていこう。

若年層のSNS利用傾向

20代以下では、Twitterの利用率が52.8%とFacebookの49.3%を上回っている。ほかの年代では10%を下回るInstagramの利用率も唯一10%を超え、16.0%となっている。また、LINEの利用率は62.8%と全世代で最も高かった。

30代のSNS利用傾向

30代では、Facebookの利用率が38.3%とTwitterの33.0%を上回る。LINEの利用率も47.0%と半数近くにのぼったが、Instagramの利用率は7.8%と20代以下に比べて大きく下回る。

40代のSNS利用傾向

40代でもFacebook 36.8%、Twitter 29.5%と、Facebookの利用率がTwitterを上回る結果となった。また、LINEの利用率も41.8%と4割を超えているが、Instagramの利用率は3.5%と30代よりさらに低い。

50代のSNS利用傾向

50代も、Facebook 30.8%、Twitter 24.3%とFacebookがTwitterを上回る構造は変わらないものの、利用率は50代未満の世代に比べて全体的に低い。また、LINEの利用率が27.8%と3割を切っていることも特徴だろう。Instagramは2.0%と40代よりさらに落ちる。

シニア世代のSNS利用傾向

60代以上では、いずれの利用率も大きく下がっている。特にLINEの利用率は8%と50代の27.8%と比べても大きな差が見られる。ただし、Facebookは21.5%と2割が利用しており、Twitterも15.5%が利用していると回答している。Instagramの利用率は0.5%と非常に低い。

SNSでの情報発信経験の違い

それでは、SNSを利用して情報を発信している人は各世代でどのくらいいるのだろうか?

「SNSを利用して自ら情報発信を積極的に行っている」と回答したのは、最も多い20代で17.4%、続いて50代の11.6%、ほかの世代では10%を下回った。

一方で、「SNSを利用しているが、自ら情報発信することよりも他人の書き込み等を閲覧することの方が多い」と「SNSを利用しているが、自らはほとんど情報発信せず、他人の書き込み等の閲覧しか行わない」と回答した人の合計はどの世代でも6割を超えており、多くのSNS利用者が情報を自ら発信することにはあまり積極的ではなく、ほかの人が発信する情報の閲覧を目的に利用している姿が見えてくる。

SNS利用時の注意事項に関する意識の違い

「本人の許可なく他人の個人情報やプライバシーに関する情報を書かない」「仕事の具体的な内容など守秘義務のある情報を書かない」「特定の人種や民族、集団への差別や偏見と受け止められるような内容を書かない」「事実と異なる内容や事実関係があやふやな内容を書かない」といった、SNS利用時の注意事項を守っているか問う質問では、各世代とも利用者の多くが「非常に気をつけている」「気をつけている」と回答している。

例えば、「本人の許可なく他人の個人情報やプライバシーに関する情報を書かない」および「仕事の具体的な内容など守秘義務のある情報を書かない」では、「非常に気をつけている」「気をつけている」と回答した人の合計がすべての世代で約9割にのぼる。

なかでも、60代以上ではいずれの注意事項についても「非常に気をつけている」と回答した割合がほかの世代より高い。「事実と異なる内容や事実関係があやふやな内容を書かない」の項目に対して「非常に気をつけている」と回答した割合を見ると、20代以下は29.1%にとどまっているが60代以上では51.6%と半数以上にのぼる。このことからも、シニア世代は特に、SNSを慎重に利用している姿がうかがえる。

世代ごとのSNSによる情報拡散の傾向

SNSで得た情報をFacebookの「いいね!」やシェア、Twitterのリツイートなどによって拡散する基準についても、世代による差異が大きく表れた。

「内容が面白いかどうか」を基準に情報をシェアすると答えたのは、20代以下の58.0%を最高に30代が45.3%、40代で30.6%、50代27.7%、60代以上18.2%と年代が上がるとともに割合は下がっていく傾向にある。

一方で、「情報の信憑性が高いか」どうかを基準に拡散すると答えたのは、60代以上が37.9%で最多となり、最も低い20代以下では19.0%だった。また、30代から50代もそれぞれ22.4%~25%と割合が低めであることから、60代以上は、ほかの世代と比べて特に情報の信憑性を重視していることがわかる。

「生活に役立つ内容かどうか」を基準に拡散すると答えたのは、50代の37.5%が最も高く、20代の32.0%、30代の28.1%が続いた。

また、「発信者が自分の知人や友人かどうか」については、50代の20.5%、60代の18.2%に対して、20代以下11.5%、30代12.2%、40代10.4%と40代以下と50代以上で結果が分かれた。

一方で、「発信者が有名人かどうか」を基準にすると答えた人の割合は、ほかの世代が3%以下であるのに対して、20代以下では6.0%となっており、有名人による情報をシェアする人が若年層ではほかの世代より多いことを示す結果に。

「運営事業者が本人確認を行って認証している公式アカウントかどうか」については、60代以上が12.1%であるのに対して、30代~50代はそれぞれ7%台、20代以下は4.0%となり、このデータからもシニア世代が情報の信憑性を重視していることがうかがえる。

なお、「内容に共感したかどうか」を基準に拡散すると答えたのは、最も高い20代以下で49.5%、最も低い30代でも41.7%と全世代で4割を超える結果となり、「共感」は全世代に共通する基準となっていることもわかった。

世代による違いをどのようにマーケティングに反映させるのか?

ここまで見てきたように、SNSの使い方や情報に対する姿勢は世代によって大きく異なっている。このため、情報を発信する際にはターゲットとなる世代に合わせて、使用するメディアや訴求の方法を変える必要がある。

例えば、SNSでの情報拡散の基準で、20代以下は「面白いかどうか」と回答した割合が最も高かった。つまり、若年層をターゲットにするのであれば、楽しさや面白さを重視して、若者が友だちに教えたくなるようなユニークなアプローチを心がけると効果的だといえるだろう。また、若年層は有名人によって発信された情報をシェアする人の割合がほかの世代より高いことから、若者に人気のある有名人を起用したプロモーションなどを行うことも考えられるだろう。

その一方で、シニアをターゲットとした情報を発信するのであれば、情報の信憑性や発信者が信頼できる存在であるかどうかが重視されるため、これらを意識した情報発信が求められる。自社の基本情報や製品についての情報を詳細に伝えるなど、情報の正確さや自社の信頼性を強調するていねいなアプローチが必要ではないだろうか。

データをもとに世代に合わせたアプローチをしよう

世代が違えば、SNSの使い方や、情報拡散の基準に違いが出るのは当然だ。統計データを詳細にひもとけば、それぞれの世代の行動や思考の傾向が浮き彫りになる。これらは、マーケティング戦略を考える上で大いに役立つはずだ。

 

参考:

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