Webいまさら聞けない「統計」のはなし 第2回「平均」

前回このコーナーで、集団の中心的傾向を示す値を「代表値」として、最も使われるのが「平均」であるというお話をしました。

実は「平均」にはいくつかの種類が存在します。今回は、特に私たちの生活に身近な算術平均と幾何平均について、解説をしたいと思います。

■算術平均

多くの人が平均と聞いて思い浮かべる、すべての数値を足してデータの数で割るという、おなじみの手法で求めるものです。これを「算術平均」と呼びます。数式にすると

算術平均 数式

となります。数式にすると難しそうですが、Excelでは、AVERAGE 関数により簡単に求めることが出来ます。たいていの平均を求める際には、この算術平均で対応可能ですが、万能ではありません。

たとえば、下記のような年間の売上推移と、その前月比を示したデータがあったとします。

表1 年間の売上推移

売上の対前月比の平均を求めたい場合、算術平均を利用すると、108.97%が平均であるという数字が算出されました。試しにこれを、毎月の売り上げに掛け合わせてみます。

表2 算術平均

おっと、実際の売上より大きな値が導かれてしまいました。このように、比の平均を確認する場合には、算術平均では的を射ないところがでてくるのです。

■幾何平均

幾何平均は、算術平均と似ているのですが、すべての数値を足すのではなく、掛け合わせて、その積の冪根(数値がn個ならn乗根)をとることで得られるものなります。数式にすると

幾何平均 数式

となります。非常に難しそうですね。しかしExcelではGEOMEAN関数によって、簡単に求めることができます。それでは、前月比の幾何平均を求めてみましょう。

表3 幾何平均

12月の売上と一致しました。こうしたケースにおいては、算術平均よりも幾何平均を用いた方が良いということが分かります。

広告代理店からの広告効果測定レポートや、社内報告用の資料にも、「平均」という指標は、よく登場すると思います。「算術平均」「幾何平均」が目的に応じて、適切に利用されているか、ぜひ一度チェックしてみてください。


参考:

・大人が学び直す数学:【対数】相乗平均(幾何平均)の使い方

http://oto-suu.seesaa.net/article/183025125.html

・統計学が最強の学問である 西内 啓

photo credit: ervega via photopin cc

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