時代の波に乗る、デジタル×アナログの「フィジタル」が新しい!

2013年にアメリカで誕生した「フィジタル」はフィジカル(Physical)とデジタル(Digital)を掛け合わせた造語。デジタルテクノロジーを使い、フィジカルなアプローチで体験をしてもらうプロモーション方法だ。「O2O」(online to offline)などとも呼ばれ、ネットと現実と融合させたマーケティング手法である。今回は、この「フィジタル」を活用したユニークな事例をご紹介していこう。

世界のユニークなフィジタル事例

公共施設を巻き込んだフィジタル

ヘルメット大手ブランド「Nutcase」が、若者へのヘルメット着用の意識を高め、安全な走行をしてもらうために行ったフィジタル。デンマークのコペンハーゲンにある交通標識のポールにヘルメットを取り付けた。
ヘルメットに頭を入れて写真をとり、「Nutcase」のFacebookページに投稿する。投稿した人の中から、新品のヘルメットが当たるというキャンペーン。ポイントはヘルメットが横向きに取り付けられているところ。写真を撮るためには、顔を垂直に横に向けなければならず、自然とおもしろい写真がとれるのだ。
製品のプロモーションはもちろんのこと、ヘルメット着用率の低下が問題視されていた若者層への啓蒙にもなり、Facebookページのファンも増える。公共施設をも巻き込んだフィジタルの好例だ。

オンラインの口コミがわかるフィジタル

ブラジルのアパレルブランド「C&A」が行ったフィジタルは、Facebookに連動したハンガーを店内に置くというもの。

このハンガーは「Fashion Like」と呼ばれ、ユーザーがFacebookの連動ページで気に入った服に「いいね!」を押すと、その数がハンガーにカウントされるのだ。オンライン通販で行われている「売れ筋ランキング」を店内のハンガーで見せるというフィジタルの発想だ。
ハンガーに表示されている「いいね!」の数が口コミの評判を伝え、購入を後押ししてくれる。ユニークさが話題を呼び、ハンガーみたさに来店者も増える。このハンガーが日本に登場するのも時間の問題かもしれない。

夏フェスで大盛り上がりのフィジタル

家庭用プリンターでおなじみの「ヒューレット・パッカード」が行ったのは、フェスティバルを舞台とし、Facebookと連動させたフィジタル。
ブラジル、サンパウロの最大の音楽フェスティバルに同社のロゴが入った巨大なバルーンを観客席に投げ込む。このバルーン、中にはカメラが仕掛けてあり、観客の上をバウンドするたびに写真をとるというもの。さらに、Wi-Fiによるネット接続機能も内蔵されており、リアルタイムで撮影された写真がFacebookに投稿されていく。
コンサート終了後には、観客たちが同社のプリンターを使って、バルーンから撮影された自分の写真をプリントアウトできる。おもわぬ土産写真を手にした観客は喜び、ファンにもつながるユニークなプロモーションだ。

“モノのインターネット(The Internet of Things)”が加速させるフィジタル

これら“フィジタル”なキャンペーンは、今後より進化し、拡がっていくだろうと言われている。背景にあるのが、“モノのインターネット(The Internet of Things)”化である。
身の回りのあらゆるモノがネットを介して繋がることで起こるのは“ネットの現実世界への拡張”だ。
ネットはもはや、画面の向こうにあるバーチャルな空間ではなくなりつつある。
デジタルとアナログを効果的に融合させる“フィジタル”な取り組みは、生活の中のあらゆるものがネットワーク化することでオフラインとオンラインの間の垣根が徐々に曖昧になっていく未来を予感させるものと言えるだろう。


参考:

Nutcase Outdoor Fitting Room

C&A Fashion Like - Video Case

HP Photo Ball


画像:

http://pixabay.com/en/watercolor-box-color-color-wells-174551/

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