リスティング広告の効果を最大限にするためのPDCAサイクルの回し方

リスティング広告を利用しているものの、本当に効果が出ているのかわからない、解析結果もうまく活用できていない……。そのように感じているのであれば、解析結果を生かすための仕組み作りが必要かもしれない。Google Analyticsを使ってリスティング広告のPDCAサイクルを回す方法をご紹介しよう。

リスティング広告にもPDCAサイクルが大切

継続的な業務改善のために欠かせないPDCAサイクル。もともとは製造業における品質改善の手法として使われ始め、現在は幅広い業界・業種で活用されているので、多くの人にとってなじみ深いものだろう。

あらためて確認すると、PDCAとは以下の頭文字をとったものだ。これらを順に実行する(=PCDAサイクルを回す)ことが、継続的な業務改善に役立つ。

  • 「P」(Plan)=計画

……過去の実績や今後の予測に基づいて計画を立てる。

  • 「D」(Do)=実行

……作成した計画に基づいて実行する。

  • 「C」(Check)=評価

……計画どおりの結果が出ているかどうかを検証する。

  • 「A」(Act)=改善

……計画に沿わない部分や問題点を洗い出し、改善を行う。

リスティング広告の運用においても、PDCAサイクルを回すことはとても重要だ。せっかく広告を出稿しても、その後の検証や改善を行わなければ十分な効果は期待できないかもしれない。では、リスティング広告の効果を高めるためにはどのようにPDCAサイクルを回せばよいのだろう? それぞれの段階でやるべきことを順に見ていこう。

Plan:まずは計画を立てる

PDCAの最初の段階にあたる「P」では、リスティング広告出稿のための計画を立てる。そのためにはまず、予算を定め、目標とする売上額や獲得件数、獲得単価などを明確にする。そして、それをもとに目標達成するために必要な調査を行い、施策を考えていく。

具体的には、競合他社がどの程度存在するのか、それらの企業がどのような広告を出しているのかといったリサーチを行い、ターゲットの設定やキーワードおよび入札価格の調査、リンク先URLなどを決定していく。また、どのような広告文を使うのか、広告文のなかで強調するポイントをどこに定めるかといった点も検討する。ここで具体的な目標を定め、計画をしっかり立てることが効果的なPDCAサイクルにつながるので、一連のプロセスのなかでも「P」は特に重要だといえる。

Do:計画に基づいて実行する

計画を立てたら、それらを速やかに実行しよう。これがPDCAの「D」になる。実行するなかで新しい課題が見つかることや、計画が現実的でないとわかる場合もある。また、当初計画していたものより効果的なキーワードが見つかることもあるかもしれない。そのようなときには必要に応じて柔軟に対応することも必要だ。

Google Analyticsと連携しておこう

広告出稿にあたって、事前にGoogle Analyticsとの連携をしておくとよい。もちろん、Google AdWordsやYahoo!リスティングだけでもコンバージョン率などの結果の確認は可能だが、Google Analyticsを使えばより詳細な分析データを取得できる。

Google AdWordsとGoogle Analyticsを連携する場合

まず、AdWordsのアカウントにログインして、画面上部の「運用ツール」タブから「Googleアナリティクス」を選択する。Google Analyticsの画面があらたに開いたら、「アナリティクス設定」の「アカウント」でAdWordsアカウントと連携させたいプロパティを含むAnalyticsアカウントを選択しよう。また、「プロパティ」では、連携させるAnalyticsプロパティを選択して「AdWordsのリンク設定」をクリックする。

GA連携_1.png

続いて、連携を行うAdWordsアカウントのチェックボックスにチェックを入れ、「続行」で次のページに進む。そして、連携したAdWordsアカウントのグループにタイトルをつけ、AdWordsのデータを表示するAnalyticsビューを選択したら「アカウントのリンク」をクリックすれば連携は完了する。

GA連携_2.png

画像出典:AdWordsヘルプ

連携を行うことで、Analyticsの目標およびトランザクションのデータをコンバージョンとしてAdWordsにインポートできるようになる。また、AnalyticsのサイトでのエンゲージメントデータをAdWordsで参照することが可能になったり、Analyticsで作成したリマーケティングリストをAdWordsで特定のユーザー層をターゲットにするときに使用したりすることもできる。さらに、AdWordsのクリックデータや費用データとサイトでのエンゲージメントデータが自動的に表示されるのも便利な点だろう。

なお、連携にはAdWordsアカウントの管理者権限と、Analyticsアカウントの編集権限が必要になる。AdWordsの権限は管理画面の歯車にある「アカウント設定」—「アカウントのアクセス」から、Analyticsの権限は「アナリティクス設定」タブから連携するアカウントを選択後、「ユーザー管理」から確認や変更が可能だ。なお、連携完了後は権限を変更しても問題ない。

Yahoo!プロモーション広告とGoogle Analyticsを連携する場合

Yahoo!プロモーション広告を利用している場合でも、出稿している広告のリンク先URLにパラメーターを追加することによって、Google Analyticsでの解析が可能になる。パラメーターを生成するには、URL生成ツールを使用する。これによって、オーガニック検索と区別して、Yahoo!プロモーション広告経由の訪問者を確認できるようになる。

Check:リスティング広告の効果を検証する

リスティング広告の運用を開始して一定の期間が経過したら、結果の検証を実施する。まず確認したいのは、以下のポイントだ。

  • 設定した目標が達成できているか
  • 予算をどの程度消化しているか
  • 設定したターゲットやリンク先URLは適切か
  • 効果の出ているキーワードは何か
  • 効果の出ていないキーワードは何か

それぞれを確認して、計画通りに進んでいない事項について対策を検討する。例えば、「コンバージョン率が低い」ことが課題であれば、その原因として、「キーワードが不適切」「キーワードの単価設定が不適切」「広告のリンク先が不適切」「リンク先ページに改善が必要」などが考えられる。

また、「品質スコアが低い」ことが課題であればその原因として「クリック率が悪い」「広告グループの分け方に問題がある」「広告テキストの改善が必要」などが考えられる。

改善策の検討にあたっては、Google AdWordsの解説ページであるGoogleビジュアルナビに用意されているフローチャートを活用すると便利だ。

Google Analyticsからデータを確認する

成果の検証や課題に対する原因究明には、詳細なデータが必要となる。ここで活躍するのが、広告出稿前に連携しておいたGoogle Analyticsだ。さまざまなデータを分析できることがGoogle Analyticsの魅力だが、それゆえ「どこを見たらよいかわからない」という方も少なくないだろう。以下に主な項目の確認方法を紹介する。

キャンペーンごとにデータを確認する

まずは、キャンペーンごとの全体像を把握しよう。Google Analyticsにログインしたら、画面上部のタブを「レポート」に切り替える。そして、画面左側のメニューから、「トラフィック」−「広告」−「AdWords」−「キャンペーン」の順にクリックすると、各キャンペーンのレポートを確認できる。ここからは、「訪問数」「訪問別ページビュー」「訪問時の平均滞在時間」「新規訪問の割合」「直帰率」「目標の完了数」「収益」の各項目を確認できる。

Adwordsキャンペーン_1.png

クリックを基準にしたデータを確認する

また、グラフ上部の「クリック」からは、表示回数やクリック数、費用、クリック率、クリック単価、収益単価といったデータを確認できる。

クリック.png

キーワードごとにデータを確認する

キーワード別のデータを確認するには、画面上部のタブで「レポート」を選び、画面左側のメニューから、「トラフィック」−「広告」−「AdWords」−「広告キーワード」の順にクリックする。

キーワードごとの訪問数や訪問ページビュー、訪問時の平均滞在時間、新規訪問の割合、直帰率や収益などを確認できるので、設定したキーワードの効果を検証する際に役立つ。

キーワード.png

画像出典:Web担当者フォーラム

検索クエリごとのデータを確認する

Google検索における検索クエリに基づいたデータを確認したい場合は、画面上部のタブで「レポート」を選び、画面左側のメニューから、「トラフィック」−「広告」−「AdWords」−「一致した検索クエリ」の順にクリックする。ここでもキーワードと同様に訪問数や訪問別ページビュー、収益などが確認できる。

また、「クエリのマッチタイプ」を選択すれば、「完全一致」「部分一致」「フレーズ一致」といったキーワードのマッチタイプごとに訪問数や収益などの各項目を確認できる。

Act:解析結果を次に生かす

検証が完了したら、解析結果を生かした処置や改善を実施する。これがPDCAのAのプロセスだ。Google Analyticsのデータを確認することで、最初に立てた目標を達成しているか、達成していない場合はどんな問題点があるのかといったことが見えてくるだろう。改善の必要があるところや現状の課題を洗い出してリスト化して、成果につながっていないキーワードの見直しや、予算配分の再検討などを行おう。

これ以上予算を使えない場合や予算を削減したい場合には、成果を上げていないキーワードやCPAが高騰しているキーワードを削除したり、入札価格を下げたりする。また、不要と思われるキャンペーンや広告グループを停止もしくは削除すること、キャンペーンの予算設定額を削減すること、部分一致を完全一致に変えることも予算削減につながるだろう。

逆に予算を増やせる場合には、キーワードの入札価格を上げることや、新しいキーワードを追加すること、ビッグキーワードへの入札や、新しい広告配信先を追加するといったことが可能になる。

PDCAサイクルがうまく回らないときは?

PDCAサイクルが回らない場合、まずは計画を見直してみよう。最初の段階である「P」がきちんと設定されていないと、その計画を実施することも結果を正しく検証することも難しくなる。

また、計画が十分でない場合、無駄クリックなども発生しやすくなる。もちろんこれらは「C」で検証し、「A」で改善すればよいが、それまでの間は無駄が出続けることになる。最初の段階で、できる限り無駄のないプランを準備することや、そのためにリサーチを徹底して行うことが大切だ。

PDCAをしっかり回すことが結果につながる

以上がリスティング広告におけるPDCAサイクルになる。最後にもう一度、それぞれのプロセスで実施すべき事項ついて確認しよう。

「P」計画

  • 目標売上額、獲得件数などの設定
  • 予算の決定
  • ターゲットの設定
  • キーワードおよび入札価格の調査
  • リンク先URLを決める
  • 競合他社のリサーチ
  • 広告文の検討

「D」実行

  • 設定した計画を実行する

「C」:検証

  • 以下を確認する
  1. 設定した目標が達成できているか
  2. 予算をどの程度消化しているか
  3. 設定したターゲットやリンク先URLは適切か
  4. 効果の出ているキーワードと出ていないキーワード

「A」:改善

  • 検証によって見つかった問題点を洗い出す
  • キーワードの追加/削除
  • 入札額の見直し
  • 広告配信先の追加/削除
  • キャンペーン予算設定額の見直し

PDCAサイクルを意識することで、目標設定や問題点の発見がスムーズになる。もちろん、PCDAサイクルは1回行えば終わりというものではない。サイクルという名のとおり、PCDAは繰り返し実行しながら徐々にそのクオリティを高めていくことが大切だ。

 参考:

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