ネイティブアドを効果的に活用するために知っておきたいこと

ニュースメディアやキュレーションメディア、オウンドメディアなどを中心にすっかり定着したネイティブアド。活用する企業は増え、その効果への期待が高まるにつれて、通常の記事との区別がつきにくいことからユーザーが混乱しないような配慮も必要になる。

ネイティブアドを活用するには、まず、ネイティブアドとは何かをきちんと把握し、ルールを守って広告を作成・掲載することが欠かせない。ネイティブアドの効果的な運用のために知っておきたいポイントを紹介する。

ネイティブアドとは?

ネイティブアドとは、Webコンテンツの一部としてサイト内に自然に溶け込ませた状態で広告を表示するもの。ニュースメディアやキュレーションメディア、オウンドメディアなどの記事一覧と広告枠が一緒に表示されるタイプもそのひとつだ。ユーザーに違和感を抱かせることなく広告を表示できる点に特徴がある。

ネイティブアドの定義と種類

インターネット広告に関するガイドラインの作成を行う一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)のネイティブアド研究会では、ネイティブ広告を“デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告”と定義している。

また、ネイティブ広告の種類としては、インフィード広告、レコメンドウィジェットの2種類が挙げられている。それぞれの定義は次の通りである。

インフィード広告

記事やコンテンツと一体感のあるデザインおよびフォーマットで設置された誘導枠のことで、誘導先や表示方法によって、下記の3つに分類できる。

  • 媒体内誘導型

設置された誘導枠から媒体社が制作したタイアップ広告などの記事やコンテンツに誘導する形式。

  • 外部コンテンツ誘導型

設置された誘導枠から外部のランディングページなどに誘導する形式。Yahoo! などのニュース記事の間に表示される広告や、FacebookやTwitterで投稿と一緒に表示されるSNS広告などもこの形式にあたる。

  • フィード内表示型

設置された誘導枠から動画コンテンツを表示する形式。ユーザーはリンク先に移動することなく広告枠内でそのまま動画を閲覧できる。

レコメンドウィジェット

媒体社やキュレーションメディアなどの記事やコンテンツページ内に、「関連記事」「おすすめ記事」「recommended by〜」などの表記とともに誘導枠を表示する形式。ページ内下部に設置されているケースが多い。

また、ネイティブアドと同義に受け取られがちな用語に「タイアップ広告」や「スポーンサードコンテンツ」がある。JIAAのガイドラインでは、「タイアップ広告」を“媒体社が広告を記事調に制作編集する広告コンテンツ”、「スポーンサードコンテンツ」を“コンテンツそのものは媒体社の編集側が制作し、そのコンテンツおよびそれらが掲載されているページなどへ広告主がスポンサードするもの”とそれぞれ定義している。

なお、米国の広告業界団体であるInteractive Advertising Bureau(IAB)では、上記に加えて次の4タイプの広告もネイティブアドであると定義している。

ペイドサーチ型

リスティング広告のこと。検索結果と同様のフォーマットで広告が表示されることから、ネイティブアドの1種としている。

プロモートリスティング型

そのサイトで扱っている商品やサービスと同ジャンルの広告を、サイト内の検索結果の上部に表示するもの。AmazonをはじめとするCEサイトや食べログのようなグルメ情報サイトなどで使用されている。

ネイティブ要素をもつインアド型(IAB スタンダード)

ディスプレイ広告の枠内に、コンテンツに関連する広告が配信されるもの。

カスタム型

上記以外のさまざまな形式のもの。

ネイティブアドのメリット・デメリット

ネイティブアドは、広告の体裁をメディア内のほかのコンテンツとそろえることで、サイト内に広告を溶け込ませることができるのが大きなメリットだ。メディア内のほかの編集記事と同等にサイト内に並ぶため、通常の広告に比べて読者は抵抗を感じにくい。魅力的な内容の記事であれば、SNSでシェアされ、さらに拡散されることも期待できる。

逆に言えば、このような特徴をもっているということは、広告である旨をはっきり表示しないと、広告であることがわからないということ。広告表示をしていなかった場合、「普通の記事だと思って開いたら広告だった、騙された。」と、不信感やネガティブな印象をユーザーが抱いてしまう可能性もあるため注意が必要だ。

ネイティブアド活用のポイント

続いて、ネイティブアドを効果的に活用するために実践したいことを紹介する。

1. 切り口や文体などは掲載メディアに合わせる

ネイティブアドは、そのメディアのなかで違和感なく存在できる点にメリットがある。このメリットを最大限に生かすには、デザイン面やフォーマットはもちろん、記事の切り口や文体なども掲載メディアに合わせ、そのサイトの記事を読み慣れている読者が違和感を覚えないつくりにすることが重要だ。

2. 読者が期待する内容をしっかり提供する

広告であっても、読者が知りたい情報を提供することは重要だ。読者は、そのメディアのコンテンツが好きで訪問しているのだから、その期待を裏切らないよう配慮する必要がある。

インターネット上にあらゆる情報があふれている今、おもしろくないコンテンツや、広告色の強いコンテンツは見てもらえない可能性が高い。しっかりと内容をつくってこそ、ネイティブアドは効果を発揮するのだ。

3. 広告表記を必ず行う

ネイティブアドの基本となるが、広告であるときちんと明示すること。サイト内のリンクに広告表記をしていても記事中に表記がない場合には、記事がSNSでシェアされた場合に広告表記が消えてしまうことになる。すると、通常の編集記事だと思って読んだ読者から「ステマ」であると受け取られてしまうおそれがあるため、記事中にきちんと広告表記をする配慮が求められる。

4. それぞれの段階にあるユーザーに届くようにする

ユーザーが自由に情報を取捨選択できる状況で目を留めてもらうためには、ユーザーのニーズにきちんと応えていくことが欠かせない。

ユーザーのニーズは、商品やサービスにどの程度関心をもっているかによって異なる。例えば、その商品やサービスをまったく知らないユーザーや関心をもっていないユーザーに対してアプローチするには、まず、何らかの気づきを与えて発見をうながすことが求められる。

そして、商品やサービスに興味があって情報収集をしている段階のユーザーに対しては、ユーザーが知りたいと思っていることに応える内容のコンテンツ、購入を検討している段階のユーザーに対してはそれを後押しするコンテンツが必要になる。

ネイティブアドで注意すべきこと

2015年3月、JIAAはネイティブアドにおいて守るべき事項を定めたガイドライン「ネイティブ広告に関する推奨規定」を策定した。このガイドラインでは、広告表記、広告主体者の明示、広告審査などに関して、ネイティブアドの種類ごとに守るべき事項が定められている。

インフィード広告の推奨規定

(媒体内誘導型・外部コンテンツ誘導型・フィード内表示型)

  • 媒体社やプラットフォーマーの広告枠内に[広告]、[PR]、[AD]などの表記を入れる。
  • 広告表記の際は、文字の大きさや文字色、背景色、文字の表示位置などはわかりやすいものにする。
  • 配信先サイト内のタイアップページに誘導する場合で、技術上の制約がある場合でも、広告枠内に広告表記を行うことが望ましい。ただし、広告の主体が明らかで、リンク先のタイアップページに明確な広告表記があり、同⼀の広告主体者の明示があれば、リンク先と⼀体として広告みなすことができる。
  • 広告主体者名を明示する。
  • 外部の媒体社のタイアップに誘導する広告の場合は、媒体名も明示する。
  • 広告掲載にあたっては、広告審査を行う。
  • ネットワーク配信者が配信する広告枠内に[広告]、[PR]、[AD]などの表記を入れる。
  • 広告表記の際は、文字の大きさや文字色、背景色、文字の表示位置などはわかりやすいものにする。
  • 広告主体者名を明示する。
  • 配信先サイト内のタイアップページに誘導する場合で、技術上の制約がある場合でも、広告枠内に広告表記を行うことが望ましい。ただし、広告枠内に広告表記を行い、リンク先のタイアップページに明確な広告主体者の明示あれば、リンク先と⼀体として広告主体者を示しているとみなすことができる。
  • 外部の媒体社のタイアップに誘導する広告の場合は、媒体名も明示する。
  • 広告掲載にあたっては、広告審査を行う。
  • 配信を受け入れている媒体社の基準によって不適合と判断された場合は、配信を停止するなどの措置を取る。
  • オウンドメディアやランディングページの場合、広告表記については規定しないが、誘導元の広告を掲載・配信する媒体社は、リンク先が適切であるかを確認する。
  • オウンドメディアやランディングページの場合、誘導元の広告を掲載・配信する媒体社は、広告主体社名が明示されていることを確認する。
  • タイアップ広告では、媒体の性質や広告の形式に合わせて広告であることがわかる表記を行う。
  • タイアップ広告では、広告主体者名を明示する。また、媒体社と広告主体者双方の名称を明示する。
  • 編集記事をリンク先とする場合、広告表記の規定はないが、誘導元の広告を掲載・配信する媒体社は、広告の内容に照らしてリンク先としてふさわしいかを確認することが望ましい。
  • 編集記事をリンク先とする場合、広告主体社名の明示についての規定はないが、誘導元の広告を掲載・配信する媒体社は、広告に表示している広告主体社名と一致することを確認する。
  • 編集記事をリンク先とする場合、誘導元の広告を掲載・配信する媒体社は、記事の編集元の媒体社に利用の確認をするよう広告主に求める。
  • インフィード広告、レコメンドウィジェット、アドネットワークによる配信、タイアップ広告など上記のいずれのケースについても、広告審査の対象とする。

レコメンドウィジェット、アドネットワークによる配信での推奨規定

広告のリンク先についての推奨規定

ルールを守って効果的に活用しよう

上手に活用すれば大きな効果が期待できるネイティブアド。利用にあたっては、通常の広告と同様にターゲットや目標を明確に定めることも忘れてはならない。そして、ネイティブアドならではの特徴を生かした魅力ある広告を作成し、適切なメディアで掲載・配信することが大切だ。その際には、読者に誤解や失望を与えることがないよう、きちんとルールを守って運用することが欠かせない。


参考:

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