検索結果がモバイルサイト優先に。モバイルファーストインデックスとその対策方法

Googleがかねてから導入すると予告していたモバイルファーストインデックス。2016年11月5日、Googleウェブマスター向け公式ブログにて正式に導入を発表した。現在は導入のための準備中で、実際の導入は2018年以降とされている。しかしPC検索よりもモバイル検索が年々増加していることを考えれば、モバイルファーストインデックス導入が見送られる可能性は非常に低いといえる。そこで今回はモバイルファーストインデックスとはどういったものなのかといった基本情報から、実際に導入された際の対策までを解説する。

モバイルファーストインデックス導入が検討される背景

2017年7月28日、総務省が発表した「平成29年度版情報通信白書」によると、2016年の時点でのスマートフォンの世帯保有率は71.8%。この数字は2015年の72%に比べ0.2%ほど減少となっている。しかしスマートフォンのネット利用をけん引する10代、20代の機器別ネット利用時間(平日1日あたり。2016年)を見てみると、10代がモバイル108分、PC15分。20代がモバイル125分、PC31分と圧倒的にモバイルからネットを利用していることがわかる。

また2017年6月20日、博報堂DYメディアパートナーズが発表した「メディア定点調査2017」(2017年のデータ)によると、1日当たりの週平均のメディア総接触時間は378分。その中で携帯・スマートフォンは90.2分となっていて、全体の約24%と4分の1ほどを占める数字となっている。この数字は調査を開始した2006年に比べ約8倍の伸びとなっている。またスマートフォンの所有率は東京で77.5%、大阪で72.2%、高知でも61.6%と2011年から一度も下がることなく上昇している。特に男女ともに50代以上の所有率がここ3年で急激に伸びている。

これだけスマートフォン所有者が増え、それに比例してスマートフォンからのネット利用時間も増えている現状において、PCサイトに特化したサイト作成は、すでに時代の要請からずれてしまっているといえる。今後、モバイル検索をするユーザーがさらに増えることは間違いなく、検索結果もそれに合わせPCサイトよりもモバイルサイトに最適化していくことが必要となる。

そこでGoogleはGoogleウェブマスター向け公式ブログにて、主にモバイル向けページの評価に基づいたランキングを決定するモバイルファーストインデックスの導入を正式に発表。これによりモバイルに対応していないサイトは、検索順位が大きく下がってしまう可能性も十分にありえる。正式な実施時期が決まってないとはいえ、さまざまなデータを見る限り、この施策は実施される可能性が極めて高い。特に企業サイトはできる限り早くモバイルシフトを進めることが、生き残っていくための重要なポイントだといえる。

モバイルファーストインデックスが導入されると検索はどう変わるのか?

検索をする者に対して素晴らしいユーザー体験を提供するといったポリシーを持つGoogle。モバイル検索をするユーザーが増えたことで、検索結果のランキングにモバイル向けサイトの評価基準を採用しモバイルシフトを推し進めることは、むしろ遅すぎたといえなくもない。では具体的にモバイルファーストインデックスが導入されると、検索はどう変わるのだろう?

これまでGoogleでは、PC向けサイトの評価が基準となってランキングが決まっていた。そのため仮にモバイル検索をしたとしても、PCサイトの評価基準によって検索結果が表示される。モバイル向けサイトでは省略してしまっているページが、モバイル検索で上位に表示されてしまうといったことも当然のように起こっていた。

しかしモバイルファーストインデックスが実施されれば、今度はモバイル向けサイトの評価が基準となってランキングが決められる。これによりモバイル向けサイトで省略してしまったページが表示されることはなくなる。モバイルファーストインデックスの文字通り、モバイル検索をするユーザーを最優先にした検索結果がモバイル・PCの両方で表示されるようになるのだ。

そしてモバイルファーストインデックスは、モバイル向けサイトが評価基準になるだけではない。検索結果に表示されるタイトル、そのサイトの説明文(スニペット)など、検索に関するすべての情報やシグナルは、モバイル向けサイトが基準となる。モバイル向けサイトへの対応を怠ってしまうことで、検索結果のランキングが大きく下落することにつながってしまうのである。

モバイルファーストインデックスが導入された際の対策方法

モバイルファーストインデックスによって検索結果のランキングが変わるとすれば、検索からの流入に大きく依存している企業サイトはできるだけ早く対策を講じなくてはならない。その対策として有効なのがレスポンシブデザインである。

これまで多くのWebサイトでは、PC向けサイトとモバイル向けサイトの2つを用意し、ユーザーが閲覧しているデバイスなどを判別して、サーバーサイドプログラムによって振り分けを行っていた。これに対してレスポンシブデザインは、デバイスなどではなく、ブラウザの横幅サイズを判断基準としてCSS(スタイルシート)で表示を切り替える手法である。

モバイルファーストインデックス対策として、必ずしもレスポンシブデザインを採用しなければならないといったことはない。レスポンシブデザインを採用せずともモバイル向けに最適化させることも可能である。しかしそれでもレスポンシブデザインをおすすめする理由は次の通りだ。

1. レスポンシブデザインの採用がそのままモバイルファーストインデックス対策になる。レスポンシブデザインを採用すれば、基本的にそれ以外にモバイルファーストインデックス対策をする必要がない。

2. 1つのソース(HTML)で管理できるため業務効率化につながるテキスト修正や画像の差し替えなどといった簡単な作業であれば、PC向け、モバイル向けと別々に作業を行う必要がなく、一回の手間で済んでしまうため、業務効率化につながる。

3. モバイルファーストインデックス対策と同時にSEO対策にもなる。レスポンシブデザインは、Google ウェブマスター向け公式ブログの中でサイトの構築手法のひとつとして推奨しているため、SEO対策としても有効である。

ほかにもURLが統一されるため、SNSなどでシェアされたときにどのデバイスでも閲覧ができるといったメリットがある。一方、ページの読み込みに時間がかかる、新たにレスポンシブデザインにするには手間や費用といったコストがかかるといったデメリットもあるが、これらのメリットがあることを鑑みれば、モバイルファーストインデックス対策として効果が高いといえる。

また単純に機械的な対策をするだけではなく、コンテンツはPCよりも手軽に読める長さにする、シェアボタンなども分かりやすいものにするなど、スマホで閲覧したときにより読みやすく分かりやすいものにすることもモバイルファーストインデックス対策として必要だ。

近い将来、導入される可能性が高いモバイルファーストインデックス。しかし導入されてからの対応では、すでに対応しているサイトに遅れをとってしまうことになる。導入前の今、しっかりと対応しておくことが、導入された際に検索結果の上位に表示される最大のポイントである。

参考:

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