徹底検証!リスティング広告は、本当に必要なのか?

「うちはSEOだけでバッチリ運用できているし……」「うちはWebサイト制作に予算をかけすぎちゃったから……」という理由で、リスティング広告を検討することさえ“後回し”になっていませんか!? 実はソレ、非常にもったいないかもしれません。そこで今回は、「リスティング広告って、本当に必要なの?」という、ありがちなところから具体的な運用方法まで、リスティング広告の“ホントのところ”について、わかりやすく解説していこう。

まずは質問:インターネットをここまで発展させたのは?

ビル・ゲイツ? スティーブ・ジョブズ? Google ? それとも、Yahoo!? もちろん、ここに挙げたすべてが広い意味でインターネットの発展に貢献してきたのは間違いない。しかし、「Search Summit Tokyo 2013」で発表されたのは、もっと現実的かつ面白い視点で、誰もが深く納得させられる答え……。「インターネットを劇的に進化させたのは、検索連動型広告(リスティング広告)だ!」というもの。

つまり、リスティング広告という大きな収入源を得ているからこそ、インターネットの中心となる検索エンジンがビッグビジネスに成長したという内容である。たしかに現在、検索エンジンのさまざまなサービスが無料で提供されているのは、この莫大な費用がかかるシステムを、有料であるリスティング広告が支え、インターネットそのものを発展させてきたおかげかもしれない。

そして、これを逆説的に考えると、企業が投資した「リスティング広告の費用対効果は高い」というひとつの仮説が浮かびあがる。そうでなければ、営利企業が携わる検索エンジンとリスティング広告の双方が、ここまでの発展を遂げられるわけがない。そこに効果があるからこそ、資金(有料広告費)が集まり続けているとは考えられないだろうか。

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参考:Google で「スーツ」と検索した場合の結果表示(ピンク色で示したブロックが検索連動型広告の表示位置)。検索エンジンでは、さまざまな単語で多くの検索連動型広告(リスティング広告)が表示される。


リスティング広告は、SEOの「おまけ」ではない

よく比較されがちな「SEO」と「リスティング広告」。最近では、個人でホームページを開設したいというIT業界以外の人であっても、「SEO対策をお願いします」と言ってくるほど、その詳細を知ってか知らずかSEOという言葉は広く普及した。

そのせいか、企業担当者のなかにも「SEO>リスティング広告」の図式、つまり、リスティング広告をSEOのおまけのように考えている人も多いだろう。実際、SEO対策だけでサイトが高順位を獲得していて、リスティング広告の必要性すら論じていない企業が存在するかもしれない。だが、そんな企業であっても、ぜひ注目してほしい調査結果がある。

それはGoogle のリサーチチームが発表したものだ。この調査で明らかにされたのは、調査当時、「有料の検索連動型広告(リスティング広告)によって、サイトのビジター数が89%アップする」という衝撃の数字だった。

さらに翌年、多くのスポンサーと多くのシナリオテストを重ねた結果、「リスティング広告を完全に停止すると、広告のクリック数が85%もダウンする」という事実も突き止めたのだ。また、現行の広告費の支出を減らすだけでも、クリック数は80%も減少することが分かった。

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逆に、リスティング広告を完全停止した状態から再開した場合のデータもある。この調査によると、クリック数は広告の再開とともに79%もアップしたそうだ。さらに、広告費をゼロではない状態から増額しただけでも78%の伸びを見せることがわかった。

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上記2データ参考:Google Research: Yes, You Still Need To Keep Buying Search Ads

しかし、ここまでの結果を見せられても、すでにオーガニック検索で上位を獲得している企業ほど、リスティング広告のメリットを感じづらいだろう。Google はその点も考慮したのか、以下のような追加調査の結果も発表している。

  • オーガニック検索の結果が第1位であっても、リスティング広告が掲載されることでクリック数が50%アップする(リスティング広告が表示されない場合、その広告で獲得したであろうクリック数の50%は、オーガニック検索結果からのクリックでは得られない)。
  • オーガニック検索の結果が第2~4位の場合、リスティング広告が掲載されることでクリック数が82%アップする。
  • オーガニック検索の結果が5位以下の場合、リスティング広告が掲載されることでクリック数が96%アップする。

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データ参考:Google Research: Even With A #1 Organic Ranking, Paid Ads Provide 50% Incremental Clicks

いかがだろうか? オーガニック検索で下位の企業はもちろん、オーガニック検索の上位を獲得している企業でさえ、「リスティング広告を掲載することで、まだまだクリック数は伸ばせる」のだ。それを証明する驚きのデータを、あなたはどう判断するだろう。

リスティング広告に必要なコスト(予算)って?

ここまでを読んで、「いざ、リスティング広告!」と意欲の高まる企業担当者を悩ませるのは、「なんといってもコスト(予算)の問題」かもしれない。だが、この広告の最大の魅力は、「クリック課金」という方法を採用していること。

つまり、閲覧者が「クリックしたときにだけ費用が発生する」仕組みで、広告が表示されているだけの状態では、費用は一切かからない。しかも、クリックされたときにかかる費用(クリック単価)も企業自らが設定できるので、低予算でも安心して始められるのが特徴だ。だが、自由に設定できるからこそ、「どのくらいコストをかけてよいのかわからない」という企業も多いので、次に最適な広告費の算出方法をご紹介しよう。

 

その1:目標CPA(コンバージョン単価)から算出する

目標CPA(コンバージョン単価)とは、「商品やサービスを売る」「資料請求を受ける」など、1件の最終的な成果(コンバージョン)を獲得するためにかかる広告費のことだ。例えば、Yシャツを販売したいという場合で考えてみると……。

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Yシャツの売上単価が5,000円。そこから材料・人件費などの原価2,000円と必要な利益額1,500円を合わせたものを差し引きすると、残った1,500円が目標CPAとなる。次に、目標となる総売上額を設定しよう。ここでは250万円とし、これをYシャツの売上単価5,000円で割ると、目標販売数は500枚だ。この500枚に先ほど算出した目標CPAの1,500円をかければ、必要な広告費の総額が算出できる。

この数式は、とても便利なものだ。実際にアパレルメーカーなどでは、資材や工場の都合により、生産ロット数(この式でいう目標販売数)が先に決定することも多いだろう。その場合は必要な広告費から逆算して、目標CPAだけでなく、売上単価を見直すことも可能だ。

その2:ツール(キーワードプランナーなど)を使って算出する

「目標CPAが定まらない……」という場合は、リスティング広告を運用しながら目標CPAを決めていくという方法もある。その際に便利なツールが、「Yahoo!プロモーション広告キーワードアドバイスツール」と「Google Adwordsキーワードプランナー」の2つだ。

これを使えば、出稿したいキーワードから、どのくらいの広告費がかかるのかを把握することができる。特にキーワードプランナーは、Google のアカウントさえ持っていればAdwordsアカウントもカンタンに作成でき、無料ですぐに使える優れものだ。さっそく、使い方を見ていこう。

 

1.ナビゲーションの「運用ツール」から「キーワードプランナー」を選択する。

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2.オプションの「キーワードのトラフィックの見積もりを取得」を選択し、キーワードを(今回は、「スーツ」「Yシャツ」)入力し、「予測データを取得」ボタンを押す。

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※ここで「どんなキーワードを入力していいかわからない」という場合は、オプションの「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」を選択してみよう。自社ランディングページのURLを入力するだけで、候補となるキーワードを表示してくれる。

 

3.左上にある入札単価(今回は、「100円」)、もしくは1日の予算を入力すると、クリック数・クリック率・表示回数・費用・平均クリック単価・平均掲載順位などが表示される。

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このツールを使うことで、目標CPAを探るだけではなく、予想以上のコスト流出を防ぐこともできる。うまく使いこなせば、低いクリック単価で効果的なリスティング広告を掲載することが可能だ。

 

リスティング広告のメリットいろいろ

前項でも説明した通り、「低予算でも始められ、予算管理もでき、クリック課金で無駄なコストがかからない」リスティング広告。これだけのメリットでも検討する価値は高いが、ここではあえてSEOと比較しながら、そのほかのメリットについても徹底検証していこう。

  • 短期間で上位表示を狙え、拡散力も強力

SEOとの決定的な違いは、上位表示されるスピード、つまり効果を実感できる速さだ。あくまでもオーガニック検索枠のなかで、良質なコンテンツだと認められてこそ上位に表示されるSEOは、結果を出すまでに時間がかかる。だが極端な話、広告費を出しさえすれば、すぐにでも上位表示を達成できるのがリスティング広告。さらにGoogle やYahooに出稿した場合、各社が提携する大手ポータルサイトにも同時出稿できるので、拡散力も増すのが強みである。

  • 指定したページ表示になるようコントロールできる

SEOでありがちなのは、予想外のページが上位表示されてしまい、せっかくユーザーが閲覧したにもかかわらず、直帰率が高くなってしまうこと(ランディングページが表示されず、代表者のプロフィールページが上位表示されるなど)。その点、リスティング広告はリンク先のURLを指定できるので、ユーザーをコンバージョン率の高いランディングページへピンポイントで誘導できる。

  • 広告文を設定できる

リスティング広告では、登録キーワードでユーザーをキャッチできたとしても、そのキーワードへ群がる競合他社に打ち勝つ、強力な訴求力がなければコンバージョンには結び付かない。そこで重要な役割を果たすのが、広告文だ。SEOの結果が表示されるオーガニック検索のテキスト(スニペット)はもちろん、バナー広告なども一度出稿したらすぐに表示内容を変更することは難しい。しかし、リスティング広告ならば、ユーザーの反応にマッチした広告文をスピーディーに反映できる。

  • ROI(投資対効果)を測定・改善しやすい

SEOの場合、ある施策を行うことで、どのくらいの売上が見込まれるのか、どのくらいの利益が出たのかを測定することは非常に難しい。だがリスティング広告の場合、アカウント管理画面を見れば、表示回数やクリック数、クリック率やコンバージョン率など、費用対効果に必要なデータをすべて確認することができる。また、そのデータを基にPDCAのサイクルを意識すれば、さらにROI(投資対効果)を高めていくためには何をすればよいかが判断しやすくなるだろう。

もちろんリスティング広告には、見込み客となり得ないユーザーがクリックする「無効クリック」や競合他社との終わりなき戦い、なにより本格的に取り組もうとすればするほど“手間がかかる”というウイークポイントもある。だが、それと引き換えに、上記に挙げたメリットを検討もせず手放してしまうのは、企業にとって得策だと言い切れるだろうか。

さいごに

この記事でも、SEOと比較した場合のリスティング広告という形で解説してきたが、実際にはどちらが効果的かと比較するものではなく、“相乗効果”が期待できる関係性であることを理解しておきたい。その意識さえあれば、「リスティング広告を行っても効果を感じられない」というケースが発生しても、リスティング広告だからこそ得られた客観的なデータを、SEOをはじめとする他の施策でも、貴重な参考材料として活用できる。

また、「データを見ても、どう改善していいのかわからない」というのであれば、ぜひリスティング広告代理店へチェックを依頼してみてほしい。信頼できる優秀な代理店であれば、そのレポートを受けて、的確な改善施策を提示してくるはずだ。せっかく手に入れたその重要データを、“宝の持ち腐れ”で眠らせてしまうことだけは避けよう。

 

参考:

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