クリック率の決め手!キーワードと広告文の“達人”になる方法

リスティング広告の運用で、最も重要だが、悩ましい問題……。それは、「キーワード」と「広告文」の設定だ。この2つを制し、“達人”になることは、リスティング広告での成功を意味するといっても過言ではない。今回は、それに命をかける(!?)マニア向けの記事も参照しつつ、そのノウハウをみっちりご紹介していこう。「リスティング広告はやってるんだけど、効果がイマイチ実感できないんだよね」という担当者は必見である。

リスティング広告で「キーワード」を制す!

みなさんご存知のとおり、リスティング広告では、企業側が自社の商品やサービスに関連したワードを「キーワード」として登録する。そのキーワードとユーザーが検索したキーワードが一致したときに広告が表示される仕組みだ。

なので、ここでコケれば、その他のどれを頑張っても“開店休業中”の状態に。「最近、クリック率が下がってきて……」という場合は、キーワードという看板がうまく機能していない可能性が高い。そんなとき、すぐにチェックしてほしいのが次の方法である。

その1:競合に勝てるキーワードを

ユーザーの争奪戦になるリスティング広告では、常に敵(競合他社)を知り、己(自社)を知ることが重要だ。特にクリック率とクリック数が連動して下がった場合には、単にユーザーを他社に奪われているだけかもしれない。まずは自社のポジショニングを知るため、キーワード選定の前に、以下の項目をチェックしてみよう。

  • 価格:競合他社に比べて、最も安ければ強力なアピールポイントに
  • 品質:競合他社に比べて、どう良いのか。公的機関の認定などがあれば、それを強調
  • 人気:競合他社に比べての、知名度・業界シェア率・販売実績など
  • 便利:手続きや購入方法がカンタン、または、「すぐに届く」「すぐに回答できる」などのスピーディーさ
  • その他:無料特典付き、社員が全員女性など、興味をひく、オリジナリティのあるPRポイント

業界内において、どの強みでどう戦うのかが決まれば、「勝てるキーワード」はおのずと見えてくる。そこで打ち出した独自性が受け入れられれば、低いコストで独占的にユーザーを誘導することが可能だ。

その2:キーワードツールを使ってみる 

リスティング広告を運用していくと、何千、何万という無数のキーワードと向かい合うことになる。そこで膨大な作業量を軽減し、助けてくれるのが「キーワードツール」だ。一般的に有名なのは、「Yahoo! キーワードアドバスツール」と「Google キーワードプランナー」だが、ここではニッチな(?)“無料キーワードツール”をご紹介しよう。

1.goodkeyword

1Keyword_Plan.png

Google とYahooの各検索エンジンで、サジェストされるキーワードを検索できる。サジェストされる=検索回数も多いと考えられるので要チェックだ。

2weblio類語辞典

2Keyword_Plan.png

調べたワードの類語を、日本語だけでなく英語(和製英語)などでも教えてくれる。自分では思いつかなかった、新発見のキーワードが見つけられるかも。

3kizasi.jp keygram

3Keyword_Plan.png

入力したキーワードから、ブログエントリの解析データなどを活用し、連想されるさまざまな言葉を表示してくれる。Google ディスプレイネットワークなどで広告を出す際に役立つだろう。

4SEOBOOK Keyword Generator

4Keyword_Plan.png

こちらはキーワード検索ではなく、多くのキーワードを組み合わせて、複合キーワードを一気に作れるジェネレーター(英文サイトだが、日本語利用可)。

使い方

1.「Word List 1」、「Word List 2」に組み合わせたいキーワードを入力(キーワードが複数ある場合は、「,」(コンマ)で区切る)。

2.Word List2の下にある「move up」を押せば、上下のキーワードをすぐに入れ替えられる。

3.緑色の「Generate」ボタンの横にある「Broad」のチェックをとり、「Exact」にチェックを入れると完全一致にも対応できる。

その3:キーワードは少数精鋭! まずは、マッチタイプについて知ろう

「リスティング広告では、多くのキーワードを登録して、上位にランクされなければ意味がない」と思い込んでいないだろうか? そんなあなたへ贈りたいのは、検索業界では有名なマーケターJenny Halaszが語る、「本当に重要なキーワードは10個しかない」という言葉。つまり、リスティング広告に多額のコストをかけ、おびただしい数のキーワードを登録しているネット大手企業だけが、“勝ち組”になるわけではないのだ。

最も大切なのは、キーワードを最適化し、少数精鋭化していくこと。そのためのひとつとして欠かせないのが、「マッチタイプ」の特性を知り、適切な選択を行うという作業である。では実際に、マッチタイプという検索方式について少し学んでみよう。例えば登録キーワードが、「住宅 リフォーム」だった場合……。

  • 完全一致:登録したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、語順・スペースともに完全に一致した場合にだけ広告を表示

(ユーザーが、「住宅 リフォーム」と入力された場合のみ表示され、「住宅リフォーム」とスペースなしで入力した場合は除外される)。

  • フレーズ一致:登録したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、語順通りに含まれた場合にだけ広告を表示

(ユーザーが、「住宅リフォーム大阪」と入力した場合は表示されるが、「住宅 大阪 リフォーム」と入力した場合は除外される)。

  • 部分一致:ユーザーが検索したキーワードが、登録したキーワードの類義語であったり、関連性があったりするものを広告を表示

(「リフォーム 費用」、「家 改築」など関連性のあるキーワードを拾ってくれるのはいいが、「住宅ローン 返済」などのキーワードも拾ってしまうので、ローン返済に関することが掲載されていない場合は、無駄なクリックが発生することも)。

  • 絞り込み部分一致:「部分一致」で設定したキーワードのなかの一部に、半角の「+(プラス)」記号を付けると、記号を付けたワードは「そのワード、もしくはわずかな言葉の揺れやタイプミス」、付けないワードは「部分一致」で広告を表示

(「+住宅 リフォーム」とすれば、「住宅 改装」「住宅 費用」などは表示されるが、「住宅ローン 改装」は表示されない)。

また、これに関連する追加アドバイスとしては、

  • 「部分一致」で登録すると、検索エンジンの拡大解釈などにより、見込み客に結び付かない無駄なクリックが発生しがちなので、その場合は、「除外(対象外)キーワード」を登録する。
  • 「除外(対象外)キーワード」を登録する場合もマッチタイプを選択できるので、初心者は「フレーズ一致」から始めてみる(※「完全一致」では対象を絞りすぎてしまい、「部分一致」では拡大解釈しすぎてしまうので、まずは「フレーズ一致」で様子をみる)。

という2点がある。「除外(対象外)キーワード」の登録については、後述の「その4:検索クエリを使いこなす」でも説明するが、リスティング広告のパフォーマンスを改善するためには必要不可欠な方法なので、忘れずに実施しよう。

その4:「検索クエリ」を使いこなす

リスティング広告で、実際に運用されているキーワードを検証する必須アイテムといえば、「検索クエリ」だ。検索クエリとは、企業が登録するキーワードとは違い、検索エンジンでユーザーが実際に入力したワードのこと。例えば、「アクセサリー」と部分一致で出稿した場合は、同じ意味の「貴金属」などが検索クエリとして検出される。また、他のワードと組み合わせられ「アクセサリー通販」と検出されることもある。今度は検索クエリを使った、キーワード最適化の方法と注意点をご紹介しよう。

1.「除外(対象外)キーワード」を設定する

前述の「マッチタイプ」でも説明したが、検索クエリの結果を調べていくと、「部分一致」を選択したことによる機械的な拡大解釈で、成果に結び付いていないクエリが見つかることも多い。これは無効クリックの原因となり、費用のムダ使いとしかいいようがない。「部分一致」は、企業側が気づいていない潜在的なユーザーニーズも拾ってくれるため、役立つ機能ではあるが使い方には要注意だ。しかし、だからといって部分一致を完全に止めると、「クリック率」は変わらないのに「クリック数」が減ってしまうという事態が発生することもある。これは、広告のインプレッション数が減っているということ。これによりコンバージョンまで減るようなら、キーワードの除外(対象外)設定を、早急に見直す必要があるだろう。

2.成果が出るキーワードを登録する

リスティング広告を運用する前に、いくら頭をひねっても出てこなかったキーワード。実際に、検索クエリの結果をチェックすると、そんな“とんでもなく意外”なキーワードから発生したコンバージョンを目にすることがある。これこそ、検索クエリがもたらす恩恵。迷わずそのキーワードを登録してみよう。

また、「アクセサリー」というキーワードの部分一致で「アクセサリー通販」というクエリが増加してきた場合には、「アクセサリー通販」というキーワードを完全一致で登録するのも手だ。場合によっては、このほうがクリック単価を安く抑えられる(※このケースは、自社がアクセサリーの通販をしていればの話である。行っていない場合は、これを機に通販事業を立ち上げるという事業戦略のきっかけにしてもいい。いずれにしろ、通販を行っていないのに登録すれば、無効クリックを増やしてしまうことにもつながるのでご注意を)。

その5:PDCAサイクルのすべてを意識する

マーケターであれば意識しているはずのPDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルだが、こと「キーワードの選定」となると、PやDに目がいきがちだ。リスティング広告の運用を代理店に任せるとしても、始める前から「このキーワードを使えば、これくらいクリック率が増え、このくらいの利益が見込まれる」という提案・予測を聞いて満足していないだろうか。

だが、リスティング広告の強みは、なんといっても効果測定が明確であること。これを最大限に活かすには、CとAこそをしっかりと意識すべきだろう。つまり、事前調査を重ね、いくら慎重に仕掛けたキーワードであっても、その後の経過を常に見守り、検証・見直し続けていくことが最も重要なのである。

リスティング広告で「広告文」を制す!

リスティング広告の広告文。タイトルと説明文を含め、この短く限られた文字数で競合他社に打ち勝ち、ユーザーにクリックされなければ、コンバージョンにはつながらない。しかし、難しい課題ではあるものの、ほんのちょっとした改善でクリック数は変化するのだから、これこそがリスティング広告の醍醐味。担当者には、思い切りハマってほしいものだ。では、さっそく具体的な改善策を見ていこう。

その1:検索キーワードを前方に含めて強調

基本中の基本ではあるが、広告文には検索キーワードを含めるのが鉄則だ。そうすれば、検索クエリと一致した場合、Bold(太字)表示されるので、視覚的にユーザーの目に留まりやすい。さらに、広告文の前方に含めれば、ユーザーがいち早く反応できる。ユーザーがキーワードを見つける、その0.(ゼロコンマ)何秒の差に、直感的にクリックされるかどうかが左右されるのだ。また、キーワードと広告文の関連性を高めることは、品質スコアや品質インデックスに影響することも理解しておこう。

その2:ターゲットユーザーをしっかり絞り込む

広告文では、ターゲットユーザーが絞り込めているほど、無効クリックを避け、高水準のクリック率が生みだせる。価格帯・性別・地域などはもちろんのこと、なぜその商品やサービスを求めているのか、ユーザーの実生活をストーリーとして想像してみることだ。例えば、「花(フラワー)」という商材の場合、こんなストーリーが想像される。

  • 自宅に飾りたい
  • 記念日(誕生日・結婚記念日など)のプレゼントにしたい
  • 花壇で育てたい
  • フラワーアレンジメントを習いたい

自社が狙うべきは、どんなユーザーなのか、しっかりと見極めたうえで広告文を作成すれば、見込み顧客だけではなく潜在顧客さえも刺激することができる。ただし、ターゲットユーザーをあまり極端に絞り込みすぎると、ユーザー母数も少なくなるので、広告文の数とバランスを考慮しよう。

その3:“ピン”とくるフレーズで訴求力アップ

ピンときたら動くのは110番通報だけではない。ユーザーに思わずクリックさせる広告文を作成するコツは、表現方法や切り口を変えながら、オリジナリティや競争優位性を強調すること。そのためには、前述したように、自社の強みを知ることも大事だし、ターゲットユーザーを絞り込むことも欠かせない。しかし、もっと手っ取り早く(?)ユーザーの心に響かせたいと思うならば、「キラーワード」を散りばめるのが効果的だ。

メリットを強調するフレーズ:送料無料・手数料無料・無料サンプル(ただし、他社の使用率も高いので、競合との比較で使い分けよう)

限定するフレーズ:今だけ○○・期間限定販売・数量限定(期間限定とし、むやみに期日を引き伸ばすことは信頼を失うきっかけにもなるので気をつけよう)

安心するフレーズ:返品OK・○日間無料保障・サポート付き(実店舗と違い、実物の商品が見られないというデメリットを大きくカバー)

安さ強調フレーズ:激安・○円ポッキリ・○%オフ(ただし、高級感のある商材などに使用すると「安かろう悪かろう」というイメージをもたれ、逆効果になることも)

疑問文フレーズ:○○でお困りでは?・○○で悩んでいませんか?(疑問文で終わらせると、その答えを知りたいというユーザーの好奇心に訴えかけることができる。コンバージョンの高いランディングページへ導くなど、誘導で力を発揮)

これらのワードも使いすぎると、「嘘っぽい」「広告っぽい」という悪印象を与えがちなので、TPOに合わせてナチュラルに配置しよう。

その4:デザイン性を考えて、目立たせる

Yahoo!プロモーション広告の調査によると、「ディスプレイ広告は、テキスト広告の約2倍近くユーザーの印象に残る」そうだ。そのため、視覚的に目立つよう、広告文のデザイン性も考慮することが必要になる。「広告文にデザイン性!?」と疑問に思われる人は、下のイメージ図を見てほしい。

5Keyword_Plan.png

同じテキストであっても、記号の有無・位置で、視点や印象、意味合いまでが違って見えることがわかるだろう。記号を使用する場合は、この点に留意しながら、よりアピール力の高い広告文を作成しよう! (※しかしながら、使える記号の変更は多く、広告媒体ごとでも使える記号が違ってくるので、最新情報を常にチェックすることだ重要だ)

また、キーワードを同一の広告文内で複数回使用する場合は、その配置にも気をつけよう。例えば、「ハイブリッド」がキーワードだとすると……。

6Keyword_Plan.png

このように、説明文に同じキーワードを2回入れる場合は、1行目の行末と2行目の行頭など、縦位置をずらすと視認性がアップし、クリック率が上がる傾向にあるようだ。逆に、1行のなかに2回入れてしまうのは不自然で、クリック率が下がる傾向にあるという。

その5:繊細なテストを繰り返す

広告文は、定期的に新規追加し、ABテスト(スプリットテスト)を行うことが大切だ。ABテストから得られたデータを基に改善を積み重ねれば、CTR(クリック率)が上昇し、品質が上がることで、平均CPC(クリック単価)が下がりやすくなる。最終的には、CPA(顧客獲得単価)を引き下げることにもつながるだろう。だがここで重要なのは、1回のABテストで、さまざまなデータを一気に得ようと思わないこと。新規の広告文を作成する際は、クリック率が高かった広告文をベースに、1箇所ずつ変更しながら、繊細なテストを繰り返すことだ。タイトルだけを変える、本文の一部だけを変える、文章の前後位置だけを入れ替えるなど、そのわずかな変化にどれだけクリック率の変動があるか、見守る忍耐力がなければ、正確な効果測定はできないのである。

 

まとめ

いかがだろう? いずれも奥が深いテーマだが、これらに研究者のごとく地道に取り組むことで、成果は必ず上がってくる。その地道さを楽しむ余裕があってこそ、リスティング広告の“達人”になれるのではないだろうか。

 

参考:

 

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