ビッグデータが中小企業のマーケティングに及ぼす影響

情報通信技術の進展に伴い、膨大な量のデータ(ビッグデータ)が企業内外に蓄積されており、今後も増え続けることが予測されている。ビッグデータを活用して、売上や収益の向上につなげたいと考える企業が多い中、膨大な顧客データを利用したマーケティングは、その活用例として1番に挙げられるだろう。今回は、その中でも、特に中小企業のマーケティングに焦点を当てて、ビッグデータの影響について考えてみたい。

ビッグデータの特性とその影響

ビッグデータは、量が膨大(Volume)、変化のスピードが速い(Velocity)、データのソースが変化に富んでいる(Variety)という3つの特性を持っている。ビッグデータとそれを活用する技術があれば、顧客の行動や好みを効率的に収集、把握してマーケティング戦略に活かすことができる。また、分析ツールを駆使することで、膨大で多様な種類のデータの中から企業にとって大切なものだけを抜粋することも可能となる。その結果、顧客のエンゲージメントを高めたり、SEOを改善したり、商品やサービス内容を改良したりといったことができるようになるのだ。

中小企業だからこそ、のメリット

こうしたビッグデータによる恩恵は、企業の大きさに関わらず、データとそれを活用する技術さえあれば受けることができる。「スケールメリット」とは逆の発想で、中小企業にとってメリットとなることも多い。

1.   ロイヤルカスタマーが増える

ビッグデータとその処理技術により、リアルタイムに近い形で情報を把握し、顧客の需要の変化にも迅速に対応できるようになる。つまり、会社規模の大小にかかわらず、顧客データを正確に分析する能力が高ければ、商品やサービスの内容を顧客の望む形に改良することができるのだ。一般的に中小企業の方が、扱う商品やサービスの数が少ないため、ひとつひとつの商品に丁寧な対応をすることが可能である。これは、継続して商品やサービスを購入してくれる忠誠心の高い顧客(=ロイヤルカスタマー)の占める割合を高めることにつながる。

2.   予算を抑えられる

オープンソースのデータ処理技術が発展したことにより、ビッグデータを用いた大量データの蓄積・処理にかかるコストが大幅に低減されている。これは、限られた予算の中で情報の処理や分析にかかるコストをひねり出すのに苦労してきた中小企業にとって朗報である。

3.   小回りがきく

前述したように、ビッグデータを活用した情報収集、分析においては、会社規模の大きさによらず、顧客に求められている行動に対して、いかに早く、正確に対応できるかが重要である。中小企業の方が大企業よりも意思決定にかかわる人数が少なく、より迅速な方向転換が可能だというメリットもあり、これは顧客の好感を得ることにつながる。

ビッグデータは大企業だけのものではない

ビッグデータというだけで、なんとなく「大企業が活用すべきもの」というイメージはないだろうか。実際のところは、規模の小さい企業であっても、情報の処理・分析能力、分析結果への対応力が高ければ、その販路を拡大したり、リピーターになってくれる顧客を獲得したりできるのだ。ビッグデータを用いれば、生産性の高いマーケティング手法が採れるようになる。ぜひ、その活用を検討してみてはいかがだろうか。


参考:

hybrid-banner.png