東南アジア各国での会社設立時にともなう手続きや設立形態を比較しよう

東南アジアに会社を設立する際の手続きはどのように進めるべきでしょうか。独資で設立するのか、現地企業のパートナーを得て合弁で設立するのかといった設立形態によって変わってきます。東南アジア各国の会社設立手続きや設立形態を比較してみましょう。

シンガポール

アジアのビジネスハブといえば、シンガポール。同国において、外国企業は以下のいずれかの形態でビジネスを展開できます。

  1. 支店
  2. 現地法人(子会社)
  3. 個人事業体またはパートナーシップ
  4. 有限責任パートナーシップまたはリミテッド・パートナーシップ
  5. 駐在員事務所
  6. ビジネストラスト(business trust)

いずれの形態であっても、事業所の登記は会計企業規制庁(ACRA)を通じて行います。

マレーシア

マレーシアで外国企業がビジネスを展開する場合、おもに以下の3形態をとります。

  1. マレーシアの会社法に従い設立された現地法人
  2. 外国で設立された法人のマレーシア支店
  3. 駐在員事務所・地域統括事務所

マレーシアに進出する外国企業が会社を設立する場合、株式有限責任会社(Company Limited by Shares)を選択するのが一般的です。株式有限責任会社は、社名の後に「SDN. BHD.」がつきます。これは、Private Company Limitedを意味するマレー語のSendirian Berhadの略称です。公開会社では「Sendirian」が外され、「BHD.」のみとなります。
なお、水、エネルギー・電力供給、放送、防衛、保安などの国家権益に関わる事業は外資参入を30%または49%までに規制しているほか、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの一定業種については、外資の参入が禁止されています。

タイ

外国企業がタイで会社を設立する場合に必要な手続きは、次の通りです。

  1. 商号を予約する
  2. 基本定款を登記する
  3. 設立総会を開催する
  4. 株式会社として登記する(最終登記)

会社の設立登記をする場合は、通常の登記手続きのほか、インターネットでも手続きできます。ただし、ネットでの登記手続きはタイ語のみの対応です。

インドネシア

外国の企業がインドネシアでビジネスを起こす場合には、基本的に株式会社(Perseroan Terbatas, PT)を設立します。PTは、外資か内資かで2種類に分類されます。

  1. PMDN (Penanaman Modal Dalam Negeri) インドネシア人もしくはインドネシア法人が出資する企業
  2. PT PMA  (PT Penanaman Modal Asing) 外国人もしくは外国企業が出資する企業

インドネシアで会社を設立するには、ノタリス(株式会社法で定められている公証人・行政書士)の前で設立しなくてはなりません。ノタリスのみが、法務人権省に対して会社登記を行うことができます。
インドネシアの法制度は頻繁に変更されますので、こまめに情報収集を心がけましょう。

フィリピン

フィリピンに事業拠点を設立する場合、以下のいずれかの形態をとることが一般的です。

  1. 駐在員事務所
  2. 支店
  3. 現地法人(株式会社)

フィリピンにおける現地法人には、業種によっては外国資本比率規制があります。規制業種を定めた「ネガティブリスト」は、定期的に見直しがはかられます。2015年11月時点では、たとえば、弁護士や薬剤師といった専門職などは外資の参入が認められていません。また、広告業は外資の出資が30%以下に制限されています。

ベトナム

ベトナム進出時の会社設立形態は、以下の通りです。

  1. 1人有限会社:出資者が1人の有限会社
  2. 2人以上有限会社:出資者が2人以上の有限会社
  3. 株式会社:3人以上の出資が必要
  4. 駐在員事務所:出向者が情報収集や広報活動を目的としてベトナム国内に設立する拠点。営業活動は認められないので注意が必要です。

ミャンマー

ミャンマーで海外企業が会社を設立する場合、以下の形態をとることになります。

  1. 100%外国資本による企業設立
  2. 合弁企業設立
  3. パートナーシップによる事業
  4. 支店・駐在員事務所の設立
  5. ローカル企業との提携

会社法に基づく会社であるか、外国投資法に基づく投資許可取得会社であるかの区別なく、投資企業管理局(Directorate of Investment and Company Administration:DICA)への申請が必要です。

カンボジア

カンボジアでは、外国人または外国企業の独資による有限会社を設立できます。
現地法人は原則的に有限会社となります。支店や駐在員事務所の設立も可能です。ただし、駐在員事務所の業務は市場調査等に限定されています。

会社設立手続きは、ジェトロで情報収集しよう

東南アジア各国では、法制度が頻繁に変更されることも珍しくありません。ジェトロ(日本貿易振興機構)は日本企業の海外進出を手助けする公的機関で、ホームページに各国の最新情報を掲載しています。会社設立の際は、ジェトロが発信する情報を参考にすることをおすすめします。


参考:

hybrid-banner.png