SNSを使った顧客とのコミュニケーションは手間をかけつつ効率的に

SNSは自分たちの顧客と密なコミュニケーションを可能にしてくれるため、いまや多くの企業からマーケティングや販促として活用されている。しかしTwitterやFacebookなど、画像や動画よりもテキストベースでのコミュニケーションが中心となるSNSの場合は人対人のやり取りになるため、広告などに比べ、どうしても手間がかかる。そこでポイントとなるのは、顧客とコミュニケーションを取るうえで十分に手間をかける部分と効率的に進める部分を、いかに明確にしていくかということだ。今回は限られた時間の中で効率的にSNS運営を進めていける方法を解説する。

企業がSNSを使うことのメリットとデメリット

現在、多くの企業がTwitterやFacebook、Instagram、LINE@といったSNSを集客や販促ツールとして利用している。基本的にアカウント開設自体は無料で行えるため、中小企業でも気軽に公式アカウントとしてさまざまな情報発信を行っているのではないだろうか。しかしアカウント開設は無料であっても、運営を継続していくことは決して簡単なことではない。その中でも問題なのがSNS運営にかかる手間だ。

通常、多くの中小企業では専任のSNS担当者ではなく、ほかの業務との兼任でSNSを運営している。そのためいかにSNS運営の効率化を行うかは、専任のSNS担当者がいない中小企業にとって大きな課題のひとつである。ここで改めて企業がSNSを活用するうえでのメリットとデメリットを確認してみる。

SNS活用のメリット

 1.無料で利用できるうえ更新が手軽

上述したように、SNSのアカウントは基本的に無料で開設が可能である。自社サイトや有料ブログのようにサーバレンタルやドメイン取得・維持費用がかからず、アカウントを開設すればすぐに利用できる。またHTMLなどの知識も一切必要なく、気軽に更新できるのもSNSの持つ大きなメリットのひとつだ。

 2.ブログや自社サイトに比べ拡散力が高い

ブログや自社サイトを更新しても、検索などにより積極的に探してもらう以外にアクセスしてもらう手段がない。これに対しSNSはフォローをされていれば自動的に発信した情報を受け取ってもらえるようになる。さらにリツイートや「いいね!」をされれば、発信した情報が自分のフォロワー以外にも拡散され、より多くの人の目に留まる可能性が高まる。

 3.顧客やファンと近い距離でコミュニケーションが取れる

実名制・匿名制にかかわらず、顧客やファンになってくれた方と近い距離感でコミュニケーションを取れるのもSNSの魅力のひとつだ。ブログなどでもコメントのやりとりはできるが、それだけでは相手のひととなりは分からない。しかしSNSであれば相手の投稿を見ることで日常を伺い知ることもできる。自分だけを知ってもらうのではなく、互いに知ることで、質の高いコミュニケーションが可能になる。

SNS活用のデメリット

 1.成果が出るまでに時間がかかる

だれもが名前を知っているような大企業であれば、SNSを開始してすぐに多くのフォロワーを集めることも不可能ではない。しかしほとんどの企業は、アカウント開設直後は数人から数十人といった少人数のフォロワーを相手に、地道に投稿を継続していかなくてはならない。また少しでも早く成果を挙げようと宣伝色を強め過ぎるとフォロワーもすぐに離れていってしまうなど、そのさじ加減も難しく、SNSを通して集客、販促といった成果を挙げるには大きな手間と時間を要することになる。

 2.炎上、情報漏えいといったリスクが高まる

SNSはブログなどと比べ手軽に更新できることがメリットであるが、反面、手軽に更新できてしまうことで言ってはならないことをつい投稿してしまうことがある。そのため炎上や情報漏えいが起こりやすいといったデメリットがある。

このように企業のSNS運営には多くのメリットがあるものの、デメリットも少なくはない。特に成果を出すまでに手間がかかる部分は、企業としてしっかりとした対策を立てないとコスト増を生み出してしまう。SNS運営の効率化は企業のSNS担当者にとって解決しなければならない大きな課題なのだ。

SNSを効率的に行うためのテクニック

顧客やフォロワーとのコミュニケーションが軸となるSNSでは、コミュニケーションの部分にはしっかりと手間をかけつつ、それ以外の部分でどれだけ効率的に進められるかが成果を挙げるためのカギとなっている。そこで手間をかけつつもSNS運営を効率化させるポイントをいくつか紹介する。

 1.使用するSNSを限定する

Twitter、Facebook、Instagram、LINE@などさまざまなタイプのSNSがあるが、すべてを活用する必要はない。自分たちのターゲットとしている顧客が一番利用しているSNSをチェックし、それに集中することで大幅に手間を軽減できる。またどうしても複数のSNSを利用する場合はFacebookとTwitter、FacebookとInstagramなど同時投稿を上手く活用すれば、ある程度効率化を進めることができる。

 2.予約投稿ツールを使う

BufferやHootsuiteといったSNS管理ツールを使うことでも手間を軽減することが可能だ。複数のSNSの管理や予約投稿機能を使えば、投稿にかかる手間だけではなく、顧客からの返信を見逃してしまうリスクも軽減することができる。そしてその分の時間を顧客とのコミュニケーションに費やすことができる。

 3.アクティブサポートを活用する

SNSで自社の商品やサービスに関連した疑問・不安・不満などといった投稿をしているユーザーに対し、こちら側から積極的に声がけをしていくアクティブサポートを活用することもSNS運営の効率化にとても効果的だ。ただ漠然と投稿を続けていても、わざわざ探し出してフォローしてくれる可能性は高くはない。SNSでは、普段は知ることのできない顧客の声が聴けるといった大きなメリットがある。これを利用し、こちら側から自社の商品やサービスに関して投稿している方に対して声をかけていくことで、知ってもらえたり、興味を持ってもらえたりする可能性は確実にアップする。

SNSとそれ以外のツールを効率的に連携させるポイント

SNSを活用してフォロワーが増えてきたら、段階によってSNS以外のツールに誘導していくことも効率化の方法のひとつだ。例えば頻繁にコメントをつけてくれる方にはメルマガなど、より販促効果の高いツールへ誘導する。またSNSでよく受ける質問などは、自社サイトのQ&Aなどに反映させることで同じ手間を省くと同時に、検索経由で自社サイトにたどり着いた顧客の利便性を上げることにもつながる。

ここで注意しなくてはならないことは、メルマガやECサイトなどへの誘導を焦り過ぎないことだ。それほど関係性を築けていない状態で必要以上にメルマガ登録や商品購入をすすめてしまうと、嫌気がさして離れていってしまうリスクがある。効率化を考えることはもちろん重要ではあるものの、その前提として顧客に対して有益な情報を投稿すること、そしてここで商品を購入したい、店舗を応援したいと思ってもらえるようなコミュニケーションをきっちりと取り続けることが求められる。

とにかく手早く集客や販促をしたいというのであれば、一般的には広告を使ったほうが効率的である。しかし広告では継続的に顧客とコミュニケーションを取り続けることは難しい。そういった意味でまずはコミュニケーションありきであることを理解し、手間をかけなくてはいけない部分、効率的に行える部分を明確にすることが、SNSで成果を挙げるためのポイントである。

参考:

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