中吊りからデジタルサイネージへ、車内広告の未来とは?

JR東日本は、2015年導入の山手線新型車両で中吊り広告を廃止し、デジタルサイネージへ切り替えると発表した。首都圏ではすでに多くの車両で導入されている、電車内のデジタルサイネージは視聴率が高く、紙の広告より多彩な表現ができる点でも期待が高まっている。車内広告デジタル化の最新情報を紹介する。

新型車両はすべての広告をデジタルに

山手線では現在でも、ドア上部に液晶モニターを設置し、CMやニュース、天気予報などの情報を流している。新型車両では、モニターをドア上部だけでなく網棚上のスペースなどにも設置して、現在の1編成176画面から376画面に増設する予定。

これに伴って紙の広告はすべて廃止され、おなじみの「中吊り広告」も姿を消すことになる。2015年3月に試験走行を開始して、秋ごろから営業運転を始めて順次切り替えを進める予定とのことだ。

車内広告をデジタル化するメリットとは?

車内広告を、紙からデジタルサイネージに切り替えるメリットとして大きいのは、内容を柔軟に変更できる点だろう。通勤時間帯はサラリーマン向けの内容にするなど、乗客の属性に合わせて表示内容を変えれば、より高い効果も期待できる。また、テレビCMを流用することが可能なことから、企業にとってはコスト削減のメリットもある。

また、車内広告は自然と目に入りやすく、毎日継続して接触することから、新商品の認知や商品名の浸透に効果があるといわれている。関東交通広告協議会が実施する「交通広告調査レポート2013」によると、電車の車内広告を「普段からよく見ている」と答えたユーザーは57.3%と、テレビCMに次いで多く、新聞広告(30.8%)や雑誌広告(19.8%)などを大きく上回る結果となった。

2011年の同調査レポートでは、車内広告の種類ごとの視聴率も公表されており、車内ビジョン(デジタルサイネージ)の視聴率は75.7%と非常に高くなっている。

多彩な表現やスマホとの親和性に期待

車内広告のデジタル化が進むことで、紙の広告では表現できなかった多彩なアプローチが可能になる。また、先述の「交通広告調査レポート2013」によれば、電車内でスマートフォンをよく使ったり、SNSを見たりしている人は、車内広告への関心が高いとの結果も出ている。このような特性を生かし、SNSでシェアされやすい広告を車内のデジタルサイネージで流すといった活用方法もできるだろう。

他の鉄道会社でもデジタルサイネージを使った車内広告の導入は進んでいる。小田急電鉄は2015年3月9日より、一部の車両で「小田急TV」の運用を開始。2017年度末までには全通勤車両の30%超への設置を予定している。ほかにも、京王電鉄や西武鉄道、東京メトロなど多くの鉄道会社が導入するなど、広がりを見せるデジタルサイネージを使った車内広告の今後に期待したい。

参考:

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