性別によるSNSやメディアとのかかわり方の違いを理解して、マーケティングにいかそう

ソーシャルメディアをはじめとするオンラインメディアを利用したマーケティングにおいて、受け手の状況を考慮することは非常に重要だ。総務省が発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」には、メディアや機器類の利用状況について、世代別・男女別のさまざまなデータが掲載されている。

男性と女性で、インターネットやモバイル機器、SNSとのかかわり方にはどのような違いがあるのだろうか? データを見ることで、マーケティングにおける、性別によるアプローチの違いについて考えてみよう。

インターネットの利用時間と行為者率の性別による違い

2014年11月に13歳から69歳までの男女1500人を対象として、平日2日、休日1日の行動が調査された。この調査は2012年から毎年実施されている調査の3回目で、今回初めて、一部の質問項目について男女別の結果が発表された。

まず、利用時間の男女別・世代別の統計を見ていこう。

1日あたりのネットの利用時間は、10代を除いて男性が長い

平日1日あたりのインターネットの利用時間は、全年代の平均値を見ると、男性が94.0分、女性が73.0分だった。さらに年代別に比較してみると、10代でのみ男性103.0分、女性116.0分と女性のほうがやや長かったものの、20代は男性153.0分、女性149.6分、30代は男性96.2分、女性78.7分と、男性のほうが利用時間は長かった。さらに、40代は男性96.8分、女性67.8分、50代は男性84.8分、女性51.0分、60代は男性47.0分、女性18.2分と40代以降は性別による利用時間の差が大きかった。

休日1日の利用時間でも、全年代の平均で男性112.2分、女性88.8分と男性の利用時間が女性を上回り、世代別に見てもすべての年代で男性が女性を上回った。

10代から40代のネット利用の行為者率は女性のほうが高い

インターネット利用の行為者率についても、男女別のデータが発表されている。インターネット利用の行為者率とは、調査対象日にインターネットを利用した比率を表した数値だ。平日は調査対象日となった2日間の1日ごとに比率を求め、2日間の平均をとったもの、休日は調査対象日となった1日にインターネットを利用した人の比率となっている。

平日では、全世代の平均で男性72.9%、女性74.4%と女性がわずかに高く、10代から40代を見てみると女性のほうが高くなっている。なかでも20代女性は94.4%、30代女性は90.9%と9割を超える結果となった。これらの世代の男性は20代87.6%、30代84.6%だった。一方で、50代は男性70.3%、女性68.5%、60代は男性44.9%、女性36.4%と、50代以降は男性が女性を上回っている。

また、休日は、全年代の平均で男性が70.6%、女性が73.6%となり、こちらも女性のほうがやや高い。年代別で見ると10代から40代および60代で女性がやや高い結果となった。

SNS利用時間の性別による違い

続いて、ソーシャルメディア(SNS)の1日あたりの平均利用時間について見ていこう。

平日では、全年代の男性の平均が16.1分、女性は24.1分となった。年代別では、10代男性が46.3分、女性が73.6分、20代男性が39.3分、女性が63.9分、30代男性が15.4分、女性が23.0分、40代男性が9.2分、女性が12.5分となり、10代から40代は女性の利用時間のほうが長かった。

また、50代は男性が4.8分、女性が7.7分、60代は男性が1.0分、女性0.2分と、50代を過ぎると男女ともに平均利用時間は10分を切っていることがわかった。

休日になると、全年代の平均で男性が22.0分、女性が31.2分と男女ともに利用時間が長くなる。年代別では各年代で平日より利用時間が長く、60代以外の年代では男性より女性の利用時間が長いという結果となった。

モバイル端末の利用率の性別による違い

情報収集に欠かせない端末の利用率はどうなっているだろうか? パソコンおよびスマートフォンやフィーチャーフォン、ダブレットなど、モバイル機器の男女別の利用率を見ていこう。

パソコンの利用率は、すべての年代で男性が高い

パソコンの利用率は、全年代の平均で男性73.2%、女性62.0%となり、年代別で見てもすべての年代で男性の利用率が女性を上回った。また、10代から30代までは男女の利用率の差はいずれも10ポイント以内だが、40代では男性85.0%、女性70.0%、50代では男性73.4%、女性58.3%、60代は男性59.6%、女性42.9%となり、40代以上では男女の利用率の差が大きくなることがわかる。

モバイル機器の利用率は、60代以外では男女差が小さい

スマートフォンとフィーチャーフォンを比較すると、男女ともに10代から40代まではスマートフォンの利用率のほうが高く、50代および60代はフィーチャーフォンの利用率がスマートフォンを上回っている。スマートフォンとフィーチャーフォンの、男女での利用率の差はほとんどの年代で10ポイント以内と小さいが、60代のスマートフォン利用率は男性が25.3%、女性が11.7%とほかの項目に比べて差が大きかった。

購買における情報の入手先にも男女差がある

商品の購入に際しての情報収集手段についても、男女差があるとの統計もある。ハー・ストーリィと成城大学経済学部神田ゼミの学生が共同で実施した調査によると、買い物プロセスの情報探索活動において、男性は「ネット、屋外広告、交通広告」を、女性は「友人、チラシ、フリーペーパー」を情報の収集手段として活用しており、これらの行動には明確な男女差が認められたとのこと。

つまり、購入したい商品や、購入先の店舗を探すにあたり、男性のほうがよりインターネットを活用しており、逆に女性は友人からの情報や、実際に手に取ることのできるチラシやフリーペーパーといったものを利用していることが多いということだ。なお、この調査では、「テレビ、新聞、雑誌、SNS」からの情報入手に関しては男女の差がないとの結果が出ている。

どのように、男女別のアプローチをするか?

これらのデータからは、インターネットやSNS、モバイル機器の利用状況についての、男女の違いが浮き彫りになる。ターゲットの性別と年代によって、どのようなアプローチが有効なのかが見えてくるだろう。

例えば、ソーシャルメディアを利用する時間の長い、若年層の女性がターゲットである場合は、SNSでのプロモーションに力を入れ、インターネット自体の利用時間は長いものの、SNS利用時間が女性に比べて短い男性には別のアプローチを検討するといったことも考えられるかもしれない。

また、インターネット・ソーシャルメディア・スマートフォンの利用率がいずれも低い60代の女性には、ネット以外の手段でのアプローチが必要となるものの、同世代の男性の場合はスマホやインターネットを利用している割合が女性よりやや高くなるため、スマホ利用を想定したアプローチを検討できるのではないだろうか。

ターゲットの傾向に合わせて効果的なマーケティングをしよう

ターゲットとなる、見込み客の行動の傾向を知ることで、より効果的なマーケティングを行えるようになる。統計データは、それぞれの性別や年代の行動を知るうえでおおいに役立つはずだ。


参考:

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