カスタマージャーニーマップを最大限に活用するための3つのマッピングステップ

カスタマージャーニーとは、「顧客がどのように商品やブランドとの接点を持って認知し、関心を持ち、購入や登録に至るのか、というプロセスを旅にたとえた言葉」である(「マーケティング-X」)。
このプロセスを図解したものが、「カスタマージャーニーマップ」であり、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」マップとも呼ばれる。

なお、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」は、Webサイト制作やスマートフォンのようなデバイス製作において重視されるようになった考え方であり、サービス産業では「カスタマーエクスペリエンス(CX)」とも呼ばれる。いずれも顧客視点での考え方により、顧客満足度向上につなげていくことを目的としている。

今回は、カスタマージャーニーマップをテーマに、その効果を高めるためのマッピングの3つのステップをご紹介しよう。

カスタマージャーニー3つのマッピングステップ

1. ペルソナを設定する

カスタマージャーニーマップ作成の最初のステップは、ターゲット(ペルソナ)を設定することにある。自社の代表的な顧客像を上げてみよう。取引先で多いタイプの人物像や購入してくれるお客様のタイプなど、顧客として実際に接している人たちを思い出してみるのだ。

ターゲットの姿が曖昧なままマッピングを始めてしまうと、答えも曖昧なものになりかねない。ペルソナはその人の姿がありありと思い浮かぶぐらいに、職業や年齢、趣味、ライフスタイルなど詳細に設定をしよう。必要に応じて、ペルソナと近いユーザーから「お客様の声」として実際の意見を集めることで、新しい発見を得ることができる。

2. 事業者視点と顧客視点という縦軸から可視化を行う

カスタマージャーニーマップには様々なタイプがあるが、以下ではその例の一つとして、コンセント社代表の長谷川氏による、2つの軸(4象限のマトリックス)でのマッピングを紹介したい。とてもわかりやすい分類なので、まずこの枠組みで考えてみよう。

2軸のうちの縦軸は、「Inside-out(サービス視点)」と「Outside-in(顧客視点)」に分かれる。サービス視点とは、自社がその商品やサービスについてどのように考え、実施しているのか、事業者としての視点からサービスの現状分析を行うものである。次に、サービス利用者の視点から、ユーザーの行動分析をしてみよう。ここでは、前のステップで設定したペルソナになりきって考えることが重要となる。

3. 現状体験と理想体験という横軸から可視化を行う

次は、横軸だ。

サービス視点、顧客視点の2つの視点を明確にしたら、今度は「現状(as-is)」と「将来(to-be)」という2つを横軸においてみて、将来プランを考える。以上が、長谷川氏のフレームワークだ。

このように、わかっていたつもりでも1枚の紙に可視化してみることで、気づきを得ることができる。カスタマージャーニーマップを利用して、事業者の考えと、顧客が感じている認識の差をすり合わせることで、サービスの改善計画につなげていくことができるのだ。

ところで、千葉工業大学デザイン科学科教授の山崎和彦氏は、「UXの戦略とはUXのビジョン(未来)を描いて、実現化のためのロードマップを作ること」と述べている。サービス向上の鍵は、顧客の理想に近づけることにある。マッピングの最終ステップで、どこまで顧客が理想とする姿を描けるかが最重要課題となる。

マーケティングはいつも顧客視点から

事業者が顧客視点に立つのは、想像している以上に難しいものだ。顧客の気持ちになったつもりでいても、やはりどうしても事業者なりの考えが出てきてしまう。そんなときにカスタマージャーニーを使うことで、顧客目線で考え抜かれたサービス・商品を生み出し、ビジネスの改善に役立てることができる。

なお、カスタマージャーニーマップには、様々なタイプがある。ぜひ、ネット検索等で使いやすいものを探して、顧客のエクスペリエンス向上に役に立つ便利なツールとして、定期的に活用していきたいものだ。


参考:

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