ユーザー発信のコンテンツでエンゲージメントが高まるわけ

コンテンツマーケティングにおける大きな課題は、「企業やブランドに対する顧客のロイヤリティやエンゲージメントをいかにして高めるか」であろう。個々のユーザーとのつながりが強いほど、企業及びブランドに対してより特別な感情を抱く傾向にあり、最近ではコンテンツの作成段階からユーザーに関わってもらうような事例も見られる。そこで今回は、「ユーザー発信」のコンテンツで人気を集めたスターバックスの事例とその特徴を紹介しよう。

主人公はお客様、スターバックスにまつわる物語

世界中に店舗を展開するスターバックスは、10月1日の「コーヒーの日」にちなんで、                 「Meet Me at Starbucks」というキャンペーンを実施した。このキャンペーンでは、スターバックスを利用する顧客にスポットを当てた動画が、世界28か国の59店舗で同じ日に撮影され、You Tubeにアップされた。各店舗の動画をつなげて1つのフィルムにまとめた「Film mode」と、そのなかからピックアップされた動画を個別に見ることができる「Gallery mode」が用意されている。

動画では、友人や恋人、家族とのひと時を過ごしたり、ビジネスのミーティングや趣味の集まりで利用したりと、さまざまな用途でスターバックスに集うユーザーたちの物語が紡ぎだされている。例えば、ニューヨーク州ロングビーチの店舗では、娘に先立たれた女性が、友人に誘われたスクラップブックの作成サークルに参加することで、家族への愛を再確認し悲しみを乗り越えることができたという物語が映し出されている。スターバックスはサークル活動に相応しい、居心地のよい空間として選ばれ、2人の友情とともにスターバックスを背景にした暖かい交流が描かれている。

         
Meet Me at Starbucks

企業のストーリーを伝える動画といえば、創業者が起業のきっかけや商品へのこだわりなどを伝える内容が多く見られる。そんななか、スターバックスの動画では、そこに集う人々を主人公にしたストーリーをドキュメンタリー風に撮り、「お店とお客様の間に生まれる、かけがえのない時間」を感じさせる作りになっている。スターバックスのユーザーがこの動画を見れば、自分の持つ思い出と重ね合わせながら、より強い親近感を覚えるのではないだろうか。

インスタグラムで誰もが参加

さらにキャンペーンでは、動画に出演している顧客だけでなく、誰もが自分のストーリーを語ることができる機会も提供している。画像を共有できるソーシャルメディア、インスタグラムでハッシュタグ「#HowWeMet」を付けて画像をアップすれば、スターバックスにまつわる自分のストーリーを発信できるし、また他の利用客のストーリーを見たりシェアしたりすることもできる。

starbucks(Instagram).jpg

starbucks(Instagram)

そもそもスターバックスのインスタグラムページのフォロワー数は300万人を超えており、#HowWeMetの付いた画像に限らず多くの画像が日々投稿されている。気に入った他ユーザーの投稿画像を切り取り、改めて自分の投稿で#regramを付けて紹介する「リグラム」という行為も頻繁に行われ、ユーザー同士の交流も盛んである。世界中の誰もが言葉の垣根を越えてつながることができるインスタグラムは、企業やブランドへのエンゲージメントを高める効果的なツールである。

ユーザーの発信力を活用しよう

スターバックスの事例では、インスタグラムをはじめとするSNSを通じて、ユーザーが発信し交流できる場を日ごろから育んできたことにより、ユーザーを取り込んだキャンペーンの実施・成功に至ったのではないだろうか。ユーザーが発信するコンテンツを積極的に活用している事例として、その手法を参考にしておきたい。

 

参考:

hybrid-banner.png