リスティング広告と一緒に利用したい!カスタムオーディエンスの基本

リスティング広告を使って新規顧客を獲得しているものの、既存の顧客へのアプローチは十分にできていない。これまでに獲得した顧客のリストをもっと有効活用したい……。そのような時に役立つのが、FacebookなどのSNSを使ってアプローチする「カスタムオーディエンス」だ。多くのユーザーにとって身近な存在であるSNSを利用すれば、既存顧客へのアプローチが容易に行える。Facebookを中心としたカスタムオーディエンスの基本と、その使い方を紹介する。

カスタムオーディエンスとは?

カスタムオーディエンスとは、FacebookやTwitterなどのSNSで既存の顧客にリーチする方法のこと。たとえば、Facebookの場合なら、顧客の電話番号やメールアドレスをアップすると、その中でFacebookを利用している相手に対してフェイスブック内で広告を配信する。顧客データは不可逆なハッシュ値に変換され、第三者やFacebookが読み取れない状態となるため、情報保護の面でも安心して利用できる。

カスタムオーディエンスの最大のメリットは、これまでに蓄積してきた顧客データを有効活用できる点にあるだろう。Facebookから自社サイトに誘導することや、自社のFacebookページに「いいね!」をしていない顧客に「いいね!」をうながすことなどが可能になる。つまり、リスティング広告が新規顧客の開拓に効果的なのに対して、カスタムオーディエンスは既存顧客にアプローチするリマーケティングに効果を発揮するのだ。

Facebookでカスタムオーディエンスを利用する方法

 

Facebookでカスタムオーディエンスを作成する方法は、広告マネージャを利用している場合と広告作成を利用している場合、パワーエディタを利用している場合、Analytics for Appsを使用している場合でそれぞれ手順が異なる。また、カスタムオーディエンスを作成するには、リストとして最低20人の顧客データが必要になる。

広告マネージャでカスタムオーディエンスを作成する

広告マネージャは、Facebookで広告を作成するためのツール。広告マネージャで広告を作成するには、まず、広告の目的を「ページへのいいね!」「ウェブサイトへの誘導」「アプリのインストール数」などから選択して、宣伝対象を「ページ」「ビジネス」「ウェブサイト」「イベント」から選択したあと、広告のターゲット層や予算、画像、テキストなどを選択することで広告を作成できる。

広告マネージャをすでに使用していて、カスタムオーディエンスを作成したい場合は、まず、広告マネージャ上部にある「ツール」をクリックして、「オーディエンス」を選択する。「オーディエンスを作成」の「カスタムオーディエンス」から「カスタマーリスト」をクリックして、カスタムオーディエンスを作成するデータを選択する。

このデータは、「顧客のリスト」「ウェブサイトに実装されたピクセルで集められたウェブトラフィックデータ」「アプリやゲームから抽出されたインストールや利用状況のデータ」の中から選択できる。なお、顧客のリストをアップロードして使用する場合には、見出しを含まず、データ列を1つだけ含むCSV Excelファイルにする必要がある。

広告作成からカスタムオーディエンスを作成する

広告マネージャを使わずに広告を作成している場合は、「広告作成」の画面で広告の作成を開始して、「広告セットを作成」が表示されたら、「広告でリーチするオーディエンス」で「新しいカスタムオーディエンスを作成」をクリックして、カスタムオーディエンスを作成するデータを選択する。使用するデータは、広告マネージャでカスタムオーディエンスを作成する場合と同様に、「顧客のリスト」「ウェブサイトに実装されたピクセルで集められたウェブトラフィックデータ」「アプリやゲームから抽出されたインストールや利用状況のデータ」の中から選択が可能になっている。

パワーエディタから広告作成を作成する

パワーエディタは、一度に大量の広告を作成する場合に便利なツールで、Chromeブラウザからのみ利用できる。広告の数が少ない場合にはとくに必要ないものの、一度の数百といった大量のキャンペーンを管理する場合には欠かせないツールだ。

パワーエディタからカスタムオーディエンスを作成する場合には、パワーエディタ画面の「オーディエンス」をクリックして、画面右上に表示されている「オーディエンスを作成」をクリックする。そして、「カスタムオーディエンス」を選択したら、カスタムオーディエンスを作成するデータを選択する。この場合も、広告マネージャでカスタムオーディエンスを作成する場合と同様に、「顧客のリスト」「ウェブサイトに実装されたピクセルで集められたウェブトラフィックデータ」「アプリやゲームから抽出されたインストールや利用状況のデータ」の中から選択できる。

Analytics for Appsでカスタムオーディエンスを作成する

Facebook Analytics for Appsは、ユーザーのアプリ利用状況を把握して、その統計データを取得することのできるプラットフォーム。ユーザーのタイプや、アプリにたどり着くまでの経路、アプリ内でどのようなことをしているかなどを確認できる。

Facebook広告マネージャでは有料アプリのインストール数のみが表示されるのに対して、Facebook Analytics for Appsでは無料アプリを含めた総インストール数が表示される。また、Facebook広告マネージャでは「1日間のビュースルー」と「28日間のクリックスルー」という2種類のデフォルト設定が用意されており、それぞれインプレッション時間に基づいて計測されているのに対して、Facebook Analytics for Appsでは28日間のクリックスルーがインプレッション時間に基づいて計測される点も両者の違いだ。

Analytics for Appsでカスタムオーディエンスを利用するには、管理画面左側にある「セグメント」をクリックすると、セグメントの一覧が表示される。そこからカスタムオーディエンスを作成するセグメントを選択して、「カスタムオーディエンスを作成」をクリックする。カスタムオーディエンスを作成する広告アカウントを選択して「OK」をクリックすると画面がFacebookの広告マネージャに切り替わるので、「オーディエンスを作成」をクリックする。名称などを入力して「オーディエンスを作成」をクリックすると、カスタムオーディエンスが作成される。なお、Analytics for Appsを使用している場合には、カスタムオーディエンスがFacebookにアップロードされるまでに約30分かかる。この場合は、アップロード終了時に通知が送信される。

Twitterでは「テイラードオーディエンス」を利用する

Twitterでも「テイラードオーディエンス」と呼ばれる、カスタムオーディエンスと同様のリマーケティング機能が用意されている。テイラードオーディエンスを利用するには、Twitter広告にログインして、画面上部のメニューから「オーディエンスマネージャー」の「新しいオーディエンスを作成」をクリックして顧客のメールアドレスなどのリストをアップロードする。

データには、Twitterの公式パートナープログラムを使って収集したウェブサイトに最近アクセスしたユーザーのデータや、コンバージョントラッキングを使って収集したモバイルアプリをインストールしたり特定の操作を行ったりしたユーザーについてのデータを使用することも可能だ。

LINEの「ビジネスコレクト」にも同様の機能がある

LINEでは、企業向けのAPIである「LINEビジネスコレクト」を使って既存顧客とコミュニケーションを取ることが可能だ。既存の顧客データや企業で利用しているシステム、商品データベースなどをLINEアカウントと連携させることで、メッセージを送信することが可能だ。

LINE公式アカウントの場合は、送信できるメッセージが企業からユーザーへの一方通行であり、また、すべてのユーザーに同じ内容のメッセージしか送信できない。それに対して、LINEビジネスコレクトの場合は、ユーザーに応じて個別にメッセージを送信することができ、その顧客とトーク画面を使ってメッセージのやり取りをすることもできる。つまり、ユーザーは友人とメッセージの送受信をする時と同じような感覚で気軽に企業とコミュニケーションを取れるようになるのだ。

新規顧客にリーチするなら「類似オーディエンス」が便利

また、Facebookには、新規顧客の獲得に役立つ「類似オーディエンス」という機能も用意されている。これは、既存顧客やウェブサイトへの訪問者、Facebookページに「いいね!」をしたユーザーなどに類似する見込み客に対して広告を表示できるものだ。

類似オーディエンスを作成するには、広告マネージャの「ツール」から「オーディエンス」を選択し、「オーディエンスを作成」で「類似オーディエンス」を選択する。そして、類似オーディエンスに使用する既存の顧客グループを選択したら、オーディエンスの規模を選択する。この規模が小さいほど既存顧客に近いオーディエンスとなる。また、規模を大きくするとリーチ数が多くなるが、そのぶん精度は下がることになる。

なお、類似オーディエンスを作成するには、あらかじめカスタムオーディエンスまたはFacebookページ、あるいは承認済みのアップグレードされたFacebookピクセルを作成しておくことが求められる。また、基になる顧客グループには、最低100人の顧客が必要となる。

類似オーディエンスが作成されるまでには6時間から24時間程度かかり、作成が完了したかどうかは広告マネージャの「オーディエンス」タブでそのステータスから確認できる。類似オーディエンスが作成できたら、広告マネージャの「ツール」から「オーディエンス」の「類似オーディエンス」を選択して、「広告を作成」をクリックすれば広告を作成できる。必要に応じて年齢や地域などのパラメータを選択することも可能だ。

複数商品の紹介なら「カルーセル広告」が便利

Facebookで複数の商品を同時にアピールしたい場合に役立つのが、カスタムオーディエンスで作成した広告に複数の画像を掲載できる「カルーセル広告」だ。カルーセル広告では、1つの広告に複数の画像とリンクを付けることができる。1つの商品だけが掲載された広告の場合、その商品に興味がなければ、ユーザーはその広告をクリックすることはない。複数の商品を掲載することによって、選択肢が増えれば、それだけクリックスルー率の増加が期待できるのだ。

また、1つの商品の全体と細部の画像を掲載したり、複数の画像をつなげて1つの大きな画像のように使い、視覚的にひきつける広告を作成したりすることも可能だ。さらに、複数の画像を順に並べることでストーリーを表現したり、商品やサービスを使用する手順を複数の画像で説明したりといった使い方もできるなど、いく通りものアプローチが可能になる。

さまざまな方法を組み合わせて、効果的な広告運用をしよう

どのようなアプローチをするのが最も効果的なのかは、それぞれの状況によって異なる。そのため、リスティング広告だけでなく、複数の方法を組み合わせた広告施策を行うことが大切だ。今回紹介したカスタムオーディエンスも、その方法のひとつだ。カスタムオーディエンスの中でも、Facebookを使うのかTwitterを使うのか、あるいはLINEを使うのかはユーザー層や商品によって違ってくるだろう。いろいろな条件を総合的に考え、さまざまな方法を柔軟に組み合わせることが欠かせない。

 


参考:

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